統一教が第20代大統領選挙を約1年後に控えた時点で、与野党や政治的格付けを問わず、全方位的に「タコ足式」の政教一致を試みていた情況が17日、確認された。中央日報が入手した統一教の1~5地区別特別報告文書および録音ファイルによってだ。この文書には、2021年5月、統一教の地域別総括幹部である地区長たちが、韓鶴子(ハン・ハクジャ)総裁および幹部に対し、成果と今後の方向性を提示した内容が記されている。
◇韓総裁、梁承晁(ヤン・スンジョ)忠南知事と単独会談後「大統領選巡回協力」…梁氏「一方的主張」と釈明
当時の特別報告では、韓総裁と当時の忠南知事・梁承晁氏との単独会談の写真が公開された。会談は2021年5月9日に行われたとされている。ユン・ヨンホ元統一教世界本部長は、今月5日の自身の裁判で「忠南の梁承晁知事とは非常に親しく付き合っていた」と明らかにした。
統一教が当時大統領選への出馬を宣言していた梁元知事の選挙運動を支援していた情況も捉えられた。忠南圏を担当する統一教第3地区長のユ氏が、「(梁元知事は)これまで多く協力してくれたが、真のお母様(=韓鶴子総裁)が5人の地区長に対し、互いに(梁元知事に)協力するようにおっしゃった」と語ったのだ。
統一教内部の関係者は「協力とは、梁元知事に人的ネットワークなどを支援せよという意味だ」とし、「実際に第2地区長と第5地区長が、梁元知事の選挙のため、地域の有力宗教人との間を取り持った」と伝えた。実際、報告書には梁元知事が各地域の有力宗教人と懇談会を行う様子が掲載されている。
韓総裁が梁元知事を支援するよう指示した背景としては、政教一致が挙げられている。ユ氏は「梁元知事との縁がさらに固まった」とし、「大田(テジョン)・忠清(チュンチョン)地域の広域市長、道知事、国会議員らを中心に、真のお母様をお迎えして大田・忠清指導者首脳会議を開催し、(統一教の懸案を)政策に反映させなければならない」と述べた。これは、大統領選を控えた2022年2月28日、ユン元本部長がイ・ヒョニョン元統一教副会長に「与野党の双方が我々に借りを作るようにしなければならない」と語った文脈と似ている。
梁元知事は電話取材に対し、「韓総裁と単独で会ったことはあるが、地域行事の一環として会っただけだ。特別な懸案をやり取りしたこともなく、統一教の一方的な主張」とし、「忠南には統一教財団の鮮文(ソンムン)大学があるため知っている信者は多いが、いかなる恩恵も受けたことはない」と述べた。また、「3万人に及ぶ連絡先の中にユン元本部長の番号もなく、顔もテレビを見て知った」と語った。
◇韓総裁の嫁、金鍾仁(キム・ジョンイン)氏と接触…韓日海底トンネルの国家公約化を推進
嶺南(ヨンナム)圏を総括する第5地区は、報告で「韓日海底トンネルの国家公約化」を推進すると発表した。国家財政を通じて、100兆ウォン(約10兆5500億円)以上要すると推定される事業資金を調達する計画だった。韓日海底トンネルは、統一教側が2018~2020年に、田載秀(チョン・ジェス)共に民主党議員(元海洋水産部長官)、林鍾聲(イム・ジョンソン)元共に民主党議員、金奎煥(キム・ギュファン)元未来統合党議員に請託したと警察が疑っている案件だ。
韓総裁の嫁である天宙平和連合(UPF)の文姸娥(ムン・ヨナ)韓国議長は、2021年5月14日、当時「国民の力」非常対策委員長だった金鍾仁氏と会い、韓日海底トンネルについて議論したことが確認された。田議員に自叙伝を手渡して接触を試みた、現・釜山(プサン)・蔚山(ウルサン)会長であり、韓日トンネル研究会理事でもあったA氏も、この場に同席していた。
嶺南地域担当の第5地区長であるパク氏は、「2022年の大統領選、地方選挙の政策提案書で、公約立法化の段階まで進められる指導者を輩出する」とし、「命まで懸ける」と韓総裁に報告した。金鍾仁氏はその後、尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補の選挙キャンプで総括選挙対策委員長を務めた。金元委員長は「当時は『国民の力』を離れ、在野にいた時期であり、そのような人物との面会も記憶にない」と伝えてきた。
統一教の世界平和国会議員連合(IAPP)を通じた国家公約化推進案も公開された。これは「6つの柱を通じてVIPラインを形成する」という統一教の人的ネットワーク活用方式の一つだ。林元議員がIAPP議長を務め、田議員はIAPP会員だった。「統一教の日本ネットワークを活用すべきだ」という主張も出た。
2025/12/18 14:02
https://japanese.joins.com/JArticle/342339