韓米両国が29日、慶州(キョンジュ)で開かれる首脳会談で、関税・投資などの合意内容を盛り込んだ「ファクトシート」の文言を調整している。両国首脳は8月末、米ホワイトハウスで首脳会談を行ったが、対米投資方式など主要懸案をめぐる意見の相違のため、文書化された合意には至らなかった。ファクトシートには、韓米同盟の未来像や韓国の国防費増額、ウラン濃縮制限の緩和など、安保関連の内容も含まれる見通しだ。
21日、多くの外交筋の話によると、米国は最近、韓国側に関税および対米投資と関連して新たな提案をした。韓米はこれを基に利害の隔たりを埋め、29日の首脳会談で両首脳の最終決断を経てファクトシート形式の合意文を発表する方針だ。ファクトシートは合意された内容を並べて発表する形の外交文書で、共同声明や了解覚書(MOU)に比べ拘束力は低いが、トランプ政権は7月末に日本や欧州連合(EU)と関税交渉を妥結する際も合意内容をホワイトハウスの「ファクトシート」の形で発表した。ただし、米日の事例のように、韓米も関税合意の一部内容はさらに了解覚書(MOU)を作成し署名する可能性もある。
8月の韓米首脳会談で合意に達したが、関税分野で合意に至らず発表できなかった安保関連の内容も、今回、ファクトシートとして文書化されるものとみられる。当時、両国は韓国が国防費を国内総生産(GDP)の3.5%水準に増額し、米国製兵器の購入を増やす一方、米国は韓米同盟の性格と在韓米軍の「戦略的柔軟性」のレベルを現行通り維持することで合意したという。ファクトシートには、韓国に一定水準のウラン濃縮と核燃料の再処理が必要だという内容が含まれており、韓米原子力協定の改正に向けた後続議論が続く見通しだ。
状況が進展したのは韓米ともに慶州首脳会談を「見逃せないチャンス」と捉えているうえ、最近一部争点で隔たりを埋めたことが決定的だったものとみられる。キム・ジョングァン産業通商部長官は20日、米国訪問を終えて帰国する際、「米国が3500億ドル全額に対して現金投資を要求する状況ではない」とし、「韓国側の意見をかなり受け入れた側面がある」と述べた。ただし、大統領室は「調整が必要な残りの争点がいくつかある」(キム・ヨンボム政策室長)とし、依然として慎重な態度を示している。3500億ドル規模の対米投資のうち、現金の割合や投資期間、為替相場の安定化策、投資先の決定などと関連し、依然として韓国が受け入れがたい部分が残っているという意味だ。ある外交消息筋は「米国の新たな提案に対し、李在明(イ・ジェミョン)大統領がトランプ大統領に会って『トップダウン式』の談判をするしかないだろう」と述べた。
この日、ホワイトハウスでオーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相と首脳会談を行ったトランプ大統領は「韓国で習近平主席と貿易協定を結ぶ予定」としたうえで、「(欧州連合に続き)日本とも非常に公正な貿易協定を締結しており、習主席と会う場所である韓国とも公正な協定を作った」と述べた。
2025/10/21 21:31
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