大乱も忘れさせるコスパ…中国製尿素水の割合27%から62%に急上昇=韓国

投稿者: | 2025年10月22日

2021年10月、中国が尿素輸出を制限すると韓国のトラックは止まった。いわゆる「尿素水大乱」が起きて4年が過ぎたが、依然として中国への依存度が高いことがわかった。輸入先多角化に努めたおかげで昨年は20%台まで下がったが、今年は60%台に上昇した。

韓国貿易協会の貿易統計によると、1~9月に産業用・車両用尿素は25万2102トン輸入された。輸入国別の割合を見ると、中国製が62.4%の15万7221トンで最も多かった。前年同期より82.4%の急増だ。次いでベトナムが26.6%の6万6994トン、日本が5.8%の1万4542トン、カタールが3.0%の7500トンの順だった。尿素はディーゼル車から排出される窒素酸化物を減らす尿素水の原材料だ。大型工場と発電所の媒煙低減装置にも使われる。

 これまで値段が安く物流費が少ない中国製尿素が輸入全体の80~90%を占めてきた。だが2021年に続き2023年末にも中国が尿素輸出を一部制限し、韓国政府は輸入先多角化を推進した。昨年にはベトナム製の割合が53.1%で中国製の27.1%を大きく上回った。韓国政府はベトナムや日本など中国以外の国からの尿素輸入に向けた長期契約を締結すれば単価差額の50%を補助する支援策を実施した。中国製の需給が不安定な状況で企業もベトナム製と日本製に目を向けた。

しかし今年に入り中国製の割合が再び拡大した。9月の1カ月だけ見れば中国製の割合は95.1%で、事実上独占的な位置を占めた。日本製は4.7%、ベトナム製は0.1%にとどまった。

業界では輸入先に問題がないならば価格競争力を考慮して中国製を選択するほかないと説明する。実際に重量比の単価を単純計算すると、中国製は1トン当たり400ドル水準だがカタール製は440ドル、ベトナム製は455ドル、日本製は496ドルと大きな違いが生じた。中国製と日本製だけで比較すると中国製が1トン当たり96ドル安いが、昨年の輸入量約35万トンを当てはめると年間で3000万ドル以上の費用差が発生する。業界関係者は「汎用製品である尿素の特性上、国による品質の違いはほとんどないため、少しでも値段が安い製品を探すことになる」と話した。

韓国政府は3月に供給網安定化対策を発表し、差額補填の割合をこれまでの50%から最大90%まで拡大し、公共備蓄も従来の50日分から70日分に増やすなど支援策を強化することにした。輸入先もベトナムと日本だけでなく中東や欧州まで多角化する方針だ。企画財政部関係者は「業界を対象に支援事業説明会を開くなど輸入先多角化を積極的に促す計画」と明らかにした。

ただ専門家らは、より積極的な誘引策がなければ市場の論理に押され長期的な多角化は難しいとみている。大林(テリム)大学未来自動車工学部の金必洙(キム・ピルス)教授は「中国が主導権を握っている状況ではいつでも『第2の尿素水大乱』が起きる恐れがある。輸入先多角化にともなう補助金支援規模をさらに拡大し、国家戦略物資に指定して緊急状況では国内で一部でも生製できる体系を備えなければならない」と強調した。

2025/10/22 09:36
https://japanese.joins.com/JArticle/340063

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