LINEヤフーをめぐる問題が韓日両国で熱い話題になった。日本でIT企業を運営する企業家の目にこの問題はどのように見えるだろうか。2010年に日本の総務省政府情報システム改革検討会委員として活動し、現在も日本の地方政府の諮問役を務めるイーコーポレーションドットジェーピーの廉宗淳(ヨム・ジョンスン)代表と16日に東京で会い話を聞いた。
廉代表はLINEヤフー問題の背景に「日本政府のデジタル化の遅れ」という古くからの課題があると指摘した。「日本政府が内部業務と対国民行政サービス基盤を独自に構築せず民間企業のプラットフォームに依存することになったこと」が今回の問題のまた別の原因という指摘だ。以下は一問一答。
――問題の原因が日本政府のデジタル化の遅れと考える理由は。
「韓国には『政府24』という政府ポータルサービスが存在する。だが日本にはそうしたものがない。日本には『eGOV』があるがサービスを整理してリンクにつなげる水準にすぎない。(政府専従省庁である)デジタル庁ができて、政府クラウドに各省庁の情報を移転する作業をしているが技術問題から遅れている」
――これが今回の問題とどんな関係があるか。
「まじLINEについての説明からする。LINEはNHNジャパンが2010年にライブドアを買収して有能な日本の人材を大量に確保して作られた。韓国のコア技術に有能な日本の人材が組み合わされたという話だ。そしてLINEという巨大なプラットフォームは日本国民だけでなく、民間企業と政府、自治体も各種業務や対国民サービスに使われることになった」
――総務省は行政指導の原因が個人情報流出だと指摘するが。
「日本政府はLINEの影響力が大きくなる状況に対する危機意識を持っていた。2021年4月に日本政府(内閣官房、個人情報保護委員会、金融庁、総務省)がLINEヤフーサービス利用に関するガイドラインを出した。当時の調査で中央政府業務221件のうち44件(19.9%)、地方政府業務3193件のうち719件(22.5%)が機密情報を扱いながらLINEを活用していることがわかった。ここに中国でもLINEの個人情報を見ることができる問題が起き、昨年11月には個人情報流出事故が重なった。事実日本政府が内部業務と国民向けサービス基盤を独自に構築せず民間企業のプラットフォームに『ただ乗り』したのが最大の問題だ。LINEのようなサービスを日本政府が開発して代替すれば良いだろうが時間と費用が多く必要とされる。その間に情報漏出を完璧に防止できず、本質的にこうした大規模SNSを開発できるかという問題もある。そのため『資本構造を変更せよ』という非常識な対策が出てきたとみる」
――LINEヤフーの株式売却交渉が進行中だが。
「個人情報流出は問題だ。900万件の情報が流出したNTTなど日本国内の個人情報流出事件に比べ過度な行政指導だ。日本政府は中央政府の情報システムをアマゾンクラウドに渡しているところだ。アマゾンクラウドに上がる情報が流出しないという保障があるのか疑問だ。もしハッキングで情報流出が発生すれば日本政府がアマゾンに株式構造の変更を要請するだろうか。ネイバーが株式を売ろうが売るまいが民間企業が判断してやればいいと考える」
――韓国政府はどのようにすべきか
「総務省の行政指導は韓国企業の権利を侵害した。外交問題で解決することを国の威信がかかった問題に飛び火させ問題が大きくなった。今回の行政指導で日本進出に向け努力している韓国のIT企業が躊躇している。韓国政府が冷静な姿勢を守り外交で解決するよう望む」。
2024/05/20 10:09
https://japanese.joins.com/JArticle/318826