米国と日本、オーストラリアがレアアース供給網協力を強化し中国への依存度を引き下げようとする動きが本格化している。20日に米国とオーストラリアが「核心鉱物・レアアース供給網フレームワーク」をスタートさせ、日本も参加を決めた。3カ国はレアアースを単純な資源ではなく国家安全保障の戦略資産と考える。半導体、バッテリー、電気自動車、先端武器など核心産業全般に使われるだけに、中国が生産と精製を事実上独占した現実で供給網の多角化は生き残りをかけた問題だ。製造業中心の韓国にとっても切実な課題だ。
中国がレアアース規制を米中技術競争の反撃カードとして切っただけに韓国も対応を急がなければならない。主要国間の紛争や技術競争でレアアースのような戦略物資を前面に出し相手国を圧迫する資源の武器化はすでに日常化している。このリスクを減らす道は輸入先多角化と代替物質開発だけだ。日本は2010年の尖閣諸島(中国名・釣魚島)紛争時に中国の輸出制限を受けるとすぐに代替物質開発と輸入先多角化に着手した。2019年の韓日関係悪化時には半導体核心素材など素材・部品・装備の輸出規制を武器化して韓国を圧迫した。日本は内閣に経済安全保障相を置き戦略物資を国レベルで管理するほど資源の武器化に徹底的に備えている。
これに対し韓国はレアアース管理で弱点が大きい。李明博(イ・ミョンバク)政権時代に海外資源開発に出たが中途半端な投資で失敗が相次ぎ、政権交代後には「積弊」のレッテルを貼られ安価で売却され終わった。しかし資源確保は政権の性向によって一進一退してはならない。いま世界は資源と技術が結合した経済安全保障時代に入り込んだ。米国はレアアースの精製・加工技術復元に乗り出し、オーストラリアは豊富な埋蔵資源を国際連帯につなげて供給網の核心軸としている。
2021年の中国の輸出制限で触発された尿素水事態は資源の武器化を見せた事例だ。最近中国はMASGA(米国造船業を再び偉大に)プロジェクトの主軸であるハンファオーシャンの米国子会社を制裁リストに上げて韓国を圧迫している。この渦中に韓国の尿素水の中国依存度は昨年の27%から最近は62%とむしろ高まった。米中技術戦争が激化するほどレアアースは韓国製造業のアキレス腱になる恐れがある。
米日豪レアアース協力は朝中ロと韓米日に分かれる軍事安全保障問題とは性格が異なる。これは理念の問題ではなく実利の問題で、韓国製造業の実存的生き残りとも直結している。韓国がここに参加できないならば先端産業供給網の主導権から押し出される可能性が大きい。いまこそ国レベルの資源安全保障戦略を確実に立て、実利と実用の観点からレアアース供給網多角化に出る時だ。
2025/10/23 13:03
https://japanese.joins.com/JArticle/340141