高市首相「台湾有事は日本の有事」 安倍路線継承で日・台さらに接近

投稿者: | 2025年10月24日

 台湾に親近感を持つ高市早苗首相の登場で日本と台湾はさらに親密になる見通しだ。

 「女安倍」とも呼ばれる高市首相は故・安倍晋三元首相が進めた親台湾政策を継承し、台湾海峡の緊張を口実に自国の軍事力を強化する考えを示している。高市首相は9月に議会で「台湾有事は日本の有事」と発言し、また10月1日付の米ハドソン研究所への寄稿では「台湾海峡の平和と安定に日本は大きな関心を持っている。力による現状変更はあってはならない」と指摘した。木原稔内閣官房長官も超党派の議員連盟「日華(日本と台湾)議員懇談会」の事務局長を務めた台湾通だ。

 台湾を巡るトランプ大統領の発言が一貫しないこともあり、台湾は日本との連携に活路を見いだそうとしている。今月9-10日の台湾双十節(建国記念日)に合わせて日本から日華議員懇談会所属の国会議員28人が台湾を訪問した際、賴清徳総統は議員団を直接出迎え親密な関係を強調した。7月には台湾の林佳竜外交部長(外相に相当)が日本を訪問し高市早苗議員(当時)と会談した。高市首相はその時点から次期首相として有力視されていた。

 台湾ではトランプ大統領の台湾防衛政策への疑念が広がっている。賴清徳総統は今年8月に中南米を歴訪した際に米国を経由する形での米国訪問を目指したが、米国がこれを拒否したため実現しなかった。これとは対象的にバイデン前政権は2023年に当時の蔡英文総統のニューヨーク経由を認めている。トランプ大統領は就任直後、台湾防衛は米国政府の正式な政策かを問う質問に「その考えは固まっていない」と述べた。これに対してバイデン前大統領は「中国が台湾を侵攻すれば米国は軍事介入する」と明言していた。

 米中貿易交渉で台湾が犠牲になる可能性がささやかれることも台湾で危機感が高まる要因になっている。トランプ大統領は20日にホワイトハウスで「台湾問題については習近平国家主席としっかり協力できると思う」と発言した。これに先立ち日本メディアは「習近平国家主席はトランプ大統領に『台湾独立を支持しない』と明言するよう求めた」と報じた。

 中国は日本と台湾の一層の接近を極度に警戒している。中国外交部(省に相当)の郭嘉君報道官は21日の会見で「歴史や台湾などの重要な問題で日本に政治的な約束を守るよう求める」と述べた。新華社通信系列のSNS(交流サイト)は高市首相について「女トランプ」と呼ぶなど露骨に非難している。台湾政治大学の李世暉教授は「中国は日本の首相の発言や行動を今後当分は鋭意注視するだろう」とコメントした。

北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員

2025/10/24 10:40
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