【コラム】韓日協力は選択でなく必須だ(1)

投稿者: | 2025年10月25日

今年1月20日にトランプ政権2期目が始まるまで、米国は2つの軸を中心に世界戦略を展開してきた。一つは米国-欧州を連結するNATO軸、もう一つは米国と韓国、日本を連結する東アジア軸だった。冷戦当時には共産主義勢力を、冷戦後には権威主義勢力を欧州と東アジアの両側から包囲する一種の鶴翼の陣だった。

ところがこの2つの軸が揺らいでいる。トランプ大統領が、こうした同盟の軸を率いて規範に基づく国際秩序を維持してきた米国のリーダーシップを放棄したからだ。米国がリーダーシップを発揮してきた過去80年間、米国は損ばかりした半面、同盟はただ乗りしながら利益を得てきたということだ。それで彼の関心は米国の短期的な経済利益追求に傾いている。そして米国は中国抑止に集中するので同盟は自らの安全を守るべきという考えだ。ワシントンポストが3月29日に抜粋して報道した米国の「暫定国防戦略指針」にもその考えが表れている。

 これは欧州、韓国、日本にとって大きな衝撃だ。欧州の場合、国防費を増額しなければロシアが欧州に何をしようと関与しないというトランプ大統領の発言が出てきた。その後、ドイツのメルツ首相は、米国は欧州の安保にもう関心がないので英国とフランスが核共有を考慮するべき時だと主張した。欧州が自ら防御力を構築する方向に進んでいるのだ。このように厳しい状況の中、Brexit(ブレグジット)で距離が広がった英国-フランスの関係が急速に近づいた。両国はNATOの改革とウクライナ戦争解決問題などに積極的に取り組んでいる。

米国と韓日両同盟国間の関係も以前より不安定になった。両国は次のような深刻な戦略的挑戦に直面している。1つ目、9月の北京戦勝節行事で見られたように、核を保有する朝中ロ3カ国の権威主義国家間の協力は強まる傾向にある。ところがトランプ大統領は韓米日3カ国協力体制の必要性に微温的だ。確固たる支持の意志も表明していない。数回にわたる外相会議があり、前任のバイデン政権で合意した協力メカニズムが維持されてはいるが、当時ほどの政治的動力を得られずにいる。このように米国があいまいに手を引く姿勢を見せれば、非核国家の韓国と日本は核を保有する朝中ロの連帯にどう対処するべきか。果たして核の傘は提供されるのか。

2つ目、今後、米朝間で交渉が再開される場合、韓半島(朝鮮半島)の緊張の解消には望ましい。しかしトランプ政権が「米国優先主義」の立場で非核化でなく軍備統制の観点で接近し、短距離または中距離ミサイル脅威は軽視したまま大陸間弾道ミサイルの除去に集中すればどうなるのか。その場合、韓国と日本は北朝鮮の核ミサイル脅威にずっと露出することになる。この場合、韓国と日本は手を握らなくてもよいのか、それとも力を合わせて共同で対策を講じるべきだろうか。

2025/10/25 09:48
https://japanese.joins.com/JArticle/340191

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