「独島(ドクト、日本名・竹島)は鬱陵島のほうがずっと近いんですよ。鬱陵島からは独島が見えますが、日本の領土からは見えません。独島が(日本の)領土ではないという歴史的史料まで明確に存在するのに、日本はいまだにそれを認めず、言い張っているのです」
大阪で活動している「『竹島の日』を考え直す会」の代表、チョ・ギルブ氏に独島が韓国の領土である理由を尋ねると、返ってきたのはこのような答えだった。チョ氏は近くの人から紙を借り、独島・鬱陵島・日本を描きながら勢いよく説明を続けた。チョ氏はたどたどしい慶尚道なまりの韓国語と日本語で、「独島が韓国の領土であることは明確な真実」と何度も強調した。
在日韓国人2世である彼は、日本名の「松岡趙」ではなく、「チョ・ギルブ」という名前を使っている。日本国内で独島が韓国の領土であることを知らせ、歴史の歪曲(わいきょく)を正すため、2013年に結成された市民団体「『竹島の日』を考え直す会」の代表として、8年間活動してきた。東北亜歴史財団は今月23日、「独島の日(10月25日)」制定25周年を記念し、日本現地で韓国の独島主権を継続的に知らせてきた同団体に「第16回独島愛賞(団体部門)」を授与した。
チョ氏は大阪で生まれ、幼稚園から小・中・高校、大学まで全て日本で卒業した在日2世だ。金属ディスプレイ関連会社に勤めていたチョ氏と独島との縁は、2011年に武寧(ムリョン)王陵を観光するために韓国を訪れたことから始まった。当時、在韓国日本大使館前で韓国の独島主権を訴えるデモの光景を目にし、その背景を調べるうちに独島に関心を持ち、学者の論文や関連書籍、古地図などを探求するようになった。
チョ氏は「10年以上勉強して出した結論は、島根県と日本は間違っているということだ」と力を込めて語った。島根県は2005年から2月22日を「竹島の日」に定め、毎年、独島の日本領有を主張する行事を開いている。
独島についての研究が深まるにつれ、自然と団体の代表を務めるようになったチョ氏は、日本国内で独島に関する歴史的事実を伝えることに注力してきた。毎年2月と10月には大阪で講演会を開き、定期的な独島学習会も開催している。独島が韓国領土である内容を盛り込んだ講義映像DVDを制作し、東京と大阪の図書館や高校など約3000カ所に配布した。この団体は2013年に約90人でスタートし、現在は200人を超える会員が志を共にしている。
チョ氏は「日本の人々は政治家が『竹島は日本の領土だ』と言うから、そのまま信じてしまう」とし「実際に講義を聞いた人たちは真実を知って驚き、独島についてもっと学びたいと資料を送ってほしいと言ってくる」と説明した。
学生時代、学校で独島について学んだことがなかったというチョ氏は、日本の歴史教科書に「韓国が独島を不法占拠している」との内容が登場したことにより、事態の深刻さをさらに痛感したという。チョ氏は「日本国民は『韓国に独島を奪われた』と受け止めており、今後さらに大きな問題になるだろう」と述べ、「どうしても真実を伝えなければならない」と強調した。
またチョ氏は、独島に対する歴史的学習と関心を促した。「約100年前、関東大震災が起きた時、何の騒動も起こしていない朝鮮の人々が被害を受け、虐殺にまで至った」とし「学び、堂々と証拠で対抗しなければならない」と語った。
チョ氏はまた、21日に日本の新しい首相に選出された高市早苗氏の今後の動向に懸念を示した。チョ氏は「高市首相は安倍晋三元首相の考えに完全に同意する人物」とし「最近の日本は非常に右傾化していて、新首相就任後、独島への攻撃がさらに激しくならないか心配」と語った。
2025/10/27 08:11
https://japanese.joins.com/JArticle/340220