APEC、米中首脳の初の同時国賓訪韓…20カ国の首脳が息詰まる外交戦

投稿者: | 2025年10月27日

 29日から米国のトランプ大統領、中国の習近平国家主席、日本の高市早苗首相らが、慶尚北道慶州(キョンジュ)に集う。今月31日から11月1日まで行われるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議に出席するためだ。人工知能(AI)とロボット技術の商用化という全地球的変化の波、米国発の関税戦争が招いた情勢的混沌の中で行われる今回の会議は、グローバル経済と新たな国際秩序の行方を占う「首脳級の外交舞台」となる見通し。

 慶州APEC首脳会議のメインイベントは、30日に行われる米中首脳会談だ。1泊2日の日程で訪韓するトランプ大統領は29日に到着し、韓米、米中首脳会談の順で日程を組んでいる。11年ぶりに韓国を訪れる習主席は、30日に入国し次第、トランプ大統領との首脳会談に臨むとみられる。会談場所については、釜山(プサン)の金海(キムヘ)空港内の空軍基地接見室「ナレマル」が言及されている。先日、中国が全世界を対象としたレアアースの輸出規制を発表したことを受け、トランプ大統領は11月1日から100%の追加関税を課すことを宣言。米中の神経戦が激化しているが、両国とも「手ぶら談判」は負担が重いため、一定水準の外交的駆け引きが行われる可能性があると言われている。韓国政府も両国首脳の訪問にとりわけ神経をとがらせている。米国と中国の首脳が同時に韓国を「国賓訪問」するのも今回が初めてだ。

 米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の「対面」が実現すれば、米中首脳会談に続くもう一つのビッグイベントとなり得る。トランプ大統領は、金委員長との対面に対する関心と期待を表明し続けてきた。対面が実現したとしても、北朝鮮の核問題などの最重要懸案について意味ある結果を導き出すのは難しい。しかし、2019年のハノイ・ノーディール以降、冷え切っている米朝関係は、両首脳の対面が実現すれば劇的な変化の流れに乗ることができる。

 主催国である韓国にとっては、韓米首脳会談が最も重要だ。同会談は29日に国立慶州博物館で行われるとみられる。習主席との韓中首脳会談、高市首相との韓日首脳会談も、韓国にとって重要度の高い二国間会談だ。

 今回のAPEC首脳会議を機として、米中日の他にもカナダ、シンガポールなどの主要国の首脳が公式に訪韓する。カナダのマーク・カーニー首相とシンガポールのローレンス・ウォン首相は、APEC会議の日程の前後に李在明大統領と2国間会談を行う予定だ。

 中南米諸国の首脳としては、チリのガブリエル・ボリッチ大統領が唯一、APECへの出席を確定している。ペルーでは大統領弾劾以降、デモが激化しているため、ホセ・ヘリ大統領のAPEC出席は不確実だ。

 APEC首脳会議のもう一つの関心事は、「慶州宣言」と称するに足る共同宣言が発表されるのか、発表されるとすれば「自由貿易」について言及されるのかだ。チョ・ヒョン外交部長官は今月23日、自由貿易ついて宣言で言及されるのかについて、「今も争点として残っている」と語っている。2021年から昨年までのAPEC首脳会議の共同宣言には、いずれも「世界貿易機関(WTO)を中核とするルールに基づく多角的貿易体制」という表現が用いられていた。しかし近年の保護貿易主義の広がりと主要国間の通商摩擦で自由貿易秩序は揺れているため、今年の会議でも例年水準の合意を導き出すのは容易ではないだろうという観測が流れている。

2025/10/27 05:00
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/54560.html

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