「金正恩と会いたい」というトランプ氏…その会談を担当するはずの崔善姫外相はロシアへ

投稿者: | 2025年10月27日

アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議が5日後に迫る中、北朝鮮の二国間・多国間外交など対外業務を総括する崔善姫(チェ・ソンヒ)外相がロシアを訪問する。北朝鮮の官営メディアが報じた。ドナルド・トランプ米国大統領がAPEC出席を機に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と会う意向を公に表明しているが、北朝鮮としては、まずは今月3日の中国戦勝節を契機に「新反米連帯」を誇示した友好国との結束に集中するという意志を示したという分析だ。

朝鮮中央通信は26日、「外相の崔善姫同志がロシア連邦とベラルーシを訪問することになる」と報じた。具体的な日程や議題には言及せず、これら国々の外務省の招請によるものだと伝えた。これに関連し、ロシアのRIAノーボスチ通信はロシア外務省の話として「北朝鮮の崔善姫外相が10月26日から28日までロシアを実務訪問する予定」と伝えた。ベラルーシ訪問まで考慮すれば、崔外相の歴訪がトランプ大統領の訪韓日程と重なる可能性もある。

 専門家の間では、トランプ大統領が24日(現地時間)、APECを契機とした訪韓期間中に金委員長と会談する意向を示した状況で、朝米間の実務案件を統括する崔外相が平壌(ピョンヤン)を離れることにより、朝米会談が実現する可能性が低くなったのではないかとの見方が出ている。慶南(キョンナム)大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は「ロシアとの血盟を重視する路線を再確認しながら、トランプ大統領を牽制(けんせい)する側面があるようようだ」とし「金委員長は、トランプ大統領が直面している国内外の状況を考慮すると、自身が政治的に利用されるだけではないかという懸念を抱いている可能性が高い」と指摘した。

北朝鮮は伝統的な血盟国である中国との密着にも力を入れている雰囲気だ。労働新聞はこの日、在朝中国大使館が25日、平壌で中国共産党軍(中国人民志願軍)の韓国戦争(朝鮮戦争)参戦75周年(10月25日)を記念する宴会を開いたと報じた。同紙は、出席者たちが「伝統的な朝中友好協力関係の絶え間ない強化発展と両国の繁栄のために杯を挙げた」と伝えた。金委員長も24日、平安南道桧倉郡(ピョンアンナムド・フェチャングン)にある中国人民志願軍烈士陵園を参拝し、朝中の血盟関係をアピールした。特に北朝鮮は、金委員長が韓国戦争当時、米軍の爆撃で戦死した毛沢東・元中国国家主席の長男、毛岸英の墓に献花する様子を写した写真も同時に公開した。

慶南大学極東問題研究所のイ・ビョンチョル教授は「北朝鮮が中国・ロシアとの関係強化を基盤に、韓米日の連携に対抗しようとする布石と読むことができる」とし「トランプ大統領がすでに北朝鮮を一種の核保有国として言及しているだけに、北朝鮮は自分たちに有利に形成された情勢を最大限活用し、自分たちの価値を高める戦略を選択したものとみられる」と説明した。

◇日本メディア「北朝鮮通訳官、モンゴルで韓国大使館を通じて亡命」

日本の共同通信は25日、北朝鮮社会科学院の太亨喆(テ・ヒョンチョル)院長が率いる代表団が8月末、モンゴル・ウランバートルを訪問した際、北朝鮮の通訳官が韓国大使館を通じて亡命したことが確認されたと、外交消息筋の話として報じた。この通訳官の所属機関や職位は明らかになっていないが、北朝鮮当局が自国民の海外活動を厳しく統制してきた点を考慮すると、社会的地位のあるエリート層と推定されると共同通信は伝えた。

通信はさらに、「北朝鮮が最近、モンゴル駐在大使を交代させた」とし「今回の事案と直接の関係があるかは不明だが、責任を追及された可能性がある」と報じた。そのうえで、「金正恩体制下でエリートの脱北が続いている。北朝鮮は韓国を敵国と規定しているが、外部情報を得られる立場のエリートの中には、閉鎖的な体制に疑問を抱く者が少なくない」と付け加えた。

太院長は8月のモンゴル訪問の際、モンゴル側に対し「敵対的二国家論」や「統一放棄」に関する立場を説明し、支持を求めたという。北朝鮮が学術機関のトップをモンゴルに派遣したのは7年ぶりのことだった。これに関して韓国の外交部と統一部は「確認できる事項はない」との立場を示した。

2025/10/27 10:44
https://japanese.joins.com/JArticle/340238

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)