「前大統領支援で米国・日本大使や大統領室のポスト要求」…旧統一教会幹部の証言公開

投稿者: | 2025年12月20日

 旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の幹部である世界日報元副会長が、2022年の大統領選を控え、当時野党だった「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領候補を積極的に支援した後、米国と日本の大使のポストと大統領室への採用、比例代表公認などを見返りに求めていた構想が法廷で公開された。

 19日、ソウル中央地裁刑事27部(裁判長ウ・インソン)の審理で開かれた旧統一教会の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁、チョン・ウォンジュ前秘書室長、ユン・ヨンホ元世界本部長の裁判に、世界日報のユン・ジョンロ元副会長が証人として出廷し、ミン・ジュンギ特別検察官(特検)チームは、捜査の過程で確保したユン元副会長のテキストメッセージを公開した。それによると、旧統一教会は、尹前大統領が「国民の力」の大統領候補に選出されてから、本格的に接触を試みたとみられる。ユン元副会長は2021年11月8日、ユン元本部長に「12月中旬か月末にYに会うようトライしようと思います」としたうえで、「今日をもって、いったん尹錫悦選挙陣営は解散式を行います。新たに陣営が整うためには、半月ほどの時間が必要です。私は青瓦台(大統領府)に一緒に行く人を注視しています」という内容のメッセージを送った。尹前大統領が「国民の力」の大統領候補に選出されてから3日後のことだ。この時から、大統領選で尹前大統領を積極的に支援した後に「青瓦台に一緒に行く人」まで物色を始めたのだ。

 2021年11月17日には、ソウル市汝矣島(ヨイド)でユン元副会長は、尹錫悦選挙陣営の中心人物だったクォン・ソンドン議員とキム・ソンテ前議員に会い、翌日にはクォン議員との面会を仲介するという内容のメッセージをユン元本部長に送った。2021年11月19日のメッセージには「ミーティングがうまくいけば、Yとの出会いが90%のラインに近づきます」とも記した。「ユン・ヨンホ・クォン・ソンドン・ロビーライン」をユン元副会長が構築したといえる。

 それから約20日後、旧統一教会としての要求事項はさらに具体的になっていく。ユン元副会長は2021年12月8日、ユン元本部長に「尹が当選するよう積極的に助けると言えばいいです。米国と日本の基盤を教えれば、領事や大使も可能で、支援に比例して全国区や公認の要求も可能になります」という内容のメッセージを送った。これについて、特検チームが「当選を助けて当選後に尹錫悦側に領事や大使、各種の選挙公認権を要求したのが目標だったのか」と問われると、ユン元副会長は「そう言われればそうだ」と述べ、「私は誰にでも会い、私の夢の話をする」と答えた。

 ユン元本部長は2021年12月29日、ユン元副会長と同席してクォン議員に会い、翌日には「クォン(・ソンドン)が先に私が話した条件を受け入れるのであれば、1.票数、2.組織、3.財政を支援します。われわれの実質的な条件は、公約として受け入れられたわれわれの政策の推進のために、政権のスタッフとしてわれわれの者を入れることです。青瓦台の補佐官と党への配分です」との内容のメッセージをユン元副会長に送った。「尹錫悦大統領」を作った後に示した自分たちの要求事項を、繰り返し確認したのだ。特検チームがユン元副会長に「なぜ、政界と旧統一教会を結びつけようとしたのか」と問うと、「人に会ってわれわれを理解させて説明するのが私の仕事」だと答えた。

 ユン元本部長とユン元副会長の対話から、2022年の大統領選の前に、当時与党だった「共に民主党」より「国民の力」の側に力を入れた状況が明らかになった。ユン元副会長が2022年1月11日、チョン前室長から天正宮に来るよう呼び出しを受け、「私は野党(国民の力)側に気を遣っていると報告しました」と言われると、ユン元副会長は「お疲れさまです。与党(共に民主党)側のアプローチについては、特に実益はありません」と答えた。

 2人は韓総裁と尹錫悦前大統領夫人のキム・ゴンヒ女史の会合には否定的だった。ユン元本部長は2021年11月3日、「機関長を通じて、キム・ゴンヒ代表とお母様(韓総裁)の面会の要請が継続して入ってきたので、リジェクト(拒絶)しました」という内容のメッセージを送ると、ユン元副会長は「お母様を大切にしてください。選挙の推移をみて、祝福の祈りをされるときは、(面会が)可能です」と答えた。尹前大統領が「国民の力」の大統領選候補に確定する2日前のことだった。

2025/12/19 22:15
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/55015.html

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