ポケベルから飛行機まで…トランプへの贈り物外交、「各国の課題に」

投稿者: | 2025年11月1日

 李在明(イ・ジェミョン)大統領が米国のトランプ大統領に贈った「黄金の王冠」が世界的な関心を集めたことで、各国首脳がトランプの心を動かすために注力する「贈り物外交」にも注目が集まっている。

 CNNは30日(現地時間)、あらゆるものを有する米国大統領に何を贈るかというミステリーは常に外国の首脳にとって課題だったが、トランプ大統領がホワイトハウスの主となった今より過熱した時代はなかったとして、トランプ大統領が1月の就任後に各国から受け取った贈り物をまとめて報じた。概してトランプの好みを考慮して金色のもの、ゴルフに関するもの、トランプを称賛するものだった。

 トランプ大統領が就任後に外国首脳から最初に受け取った贈り物は、「黄金のポケットベル」だ。今年2月4日にイスラエルのネタニヤフ首相から贈られたもので、昨年イスラエルがレバノンでヒズボラの要員を除去するために爆発物を装着したのと同じ機器だ。それを支えるスタンドの金のプレートには「最高の友人であり最高の盟友、ドナルド・J・トランプ大統領に」と記してある。

 トランプ大統領の「黄金愛」に着目した2つ目の贈り物は、その3日後に日本の石破前首相から贈られたもの。トランプ大統領との初の首脳会談のためにホワイトハウスを訪問した石破前首相は、自身の故郷である鳥取県で製作された金の兜(かぶと)を用意。共同通信は、横57センチ、高さ81センチのこの兜の製作費は16万8千円(約1100ドル)だったと伝えた。

 CNNが報じたもう一つの黄金の贈り物は、李大統領が贈った新羅の天馬塚(チョンマチョン)の金冠の複製品だ。李大統領は8月末のホワイトハウス訪問時にも、金の亀甲船の模型や特殊製作されたゴルフのパターなどを贈っている。

 トランプ大統領がこれまで外国首脳から贈られて最も物議を醸したものは、カタール王室が提供した4億ドルの超豪華な飛行機(ボーイング747)だ。大統領専用機エアフォースワンとして用いられる予定だが、米国内では贈り物の範囲を超える「賄賂」だとして非難を浴びた。この飛行機は米空軍が引き取って改修を準備しているが、米国メディアは大統領専用機に改造するだけで4億~10億ドルほどかかると推測している。前例のない高価なこの贈り物について、カタール側は「無条件の」贈り物だと強調している。

 トランプ大統領に贈られたものの中で最も予測可能だったのは、聖パトリックの日(セント・パトリックス・デー)の3月14日にアイルランドのマーティン首相が持参したシャムロックだ。アイルランドにキリスト教を伝えた守護聖人パトリック(386~461年)を称えるこの日のアイルランド指導者たちのホワイトハウス訪問は、両国の長い伝統で、その度に贈り物はアイルランドの国花であるシャムロックだった。

 ゴルフマニアとしても有名なトランプ大統領の好みに合わせた贈り物もしばしば登場する。訪韓に先立って日本を訪れたトランプ大統領に高市首相は、トランプ大統領と格別の友情を交わしたとされる安倍元首相が生前使用していたパターと金のゴルフボールを贈った。ゴルフスターの松山英樹のサイン入りゴルフバッグも用意した。

 ゼレンスキー大統領は8月18日の2度目のホワイトハウス訪問の際、ウクライナ戦争で片足を失った兵士のゴルフクラブを贈った。カナダのカーニー首相は5月のトランプ大統領との首脳会談で、その後主要7カ国(G7)首脳会議が開催された同国カナナスキスのゴルフ場の帽子とゴルフ用品、第2次世界大戦時の米国とカナダの兵士のゴルフの試合の写真を贈った。同月、南アフリカのラマポーザ大統領も、自国の2人のプロゴルファーを連れてホワイトハウスを訪れ、南アフリカのゴルフ場についての本を贈った。贈り物が色あせるほど、彼はトランプ大統領から「南アフリカの白人たちが集団虐殺されている」というフェイクニュースを根拠にひどく責められた。ワシントン・ポストによると、第2期トランプ政権の発足後、少なくとも8カ国がトランプ大統領にゴルフクラブを贈っている。

 ロシアのプーチン大統領は、3月と8月の2度にわたってトランプの肖像画を贈っている。1枚は、トランプが昨年の大統領選挙の遊説中にペンシルべニアで銃撃された際、右の拳を振り上げている姿が描かれている。もう1枚は、アラスカでの首脳会談の直前に両首脳が並んで歩く姿が描かれている。トランプ大統領は、2枚目の肖像画はプーチン大統領の方がうまく描かれているとして、自らサインして送り返す予定だと述べた。

 トランプ大統領の個人史をきっかけにした首脳もいる。6月にホワイトハウスを初訪問したドイツのメルツ首相は、ドイツ生まれのトランプの祖父の出生証明書のコピーを額縁に入れて贈った。そして先祖の地へ招待した。7月末のスコットランド訪問では、トランプはスコットランド出身の母親のマリー・アンに関する詳細情報が記された1921年の人口調査記録を受け取った。またスコットランドの初代首相スウィニーから、1853年の母方の曽祖父夫婦の結婚記録が贈られた。

 トランプをノーベル平和賞の候補として推薦するという首脳も多い。10月中旬、アルゼンチンのミレイ大統領は金の額縁にノーベル平和賞候補推薦書を入れてホワイトハウスに持参し、400億ドル規模の救済金融パッケージを手にした。

 ユニークさで関心を集めた贈り物の中には、2月末にウクライナのゼレンスキー大統領がホワイトハウスを初訪問した際に持参したウクライナのボクシング選手オレクサンドル・ウシクが昨年獲得した世界チャンピオンベルトがある。華やかな金のベルトは、両首脳が公開で舌戦を繰り広げている間も片側のサイドテーブルの上に置かれていた。会談後のベルトの行方については正確には分かっていない。

 米連邦法は、大統領や政府の構成員が外国の指導者から480ドル以上の贈り物を受け取った際には、それを公開するよう規定している。これらの贈り物は米国民の財産とみなされるが、贈り物を受け取った人物は市場価格でそれらを購入できる。米大統領が受け取った贈り物は概ね政府に帰属し、その後、大統領図書館などで展示されている。

2025/10/31 17:37
https://japan.hani.co.kr/arti/international/54614.html

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