「それは結局、『人づくりの道』だった」。19世紀日本の近代化を成し遂げ、ついには東アジア全体を揺るがすことになった明治維新について、本書はこのように圧縮した。日本の近代化の明暗を分析した本書の著者は、朝鮮王朝時代の韓日関係史を専攻した江原大学名誉教授。20年以上にわたり大学生・教授・市民と共に「明治維新の道」を踏査してきた。
「人づくりの道」とはどういう意味か? 列強に対抗して戦うのか、さもなくば自らを変えるのかの分かれ道で、日本は後者の道を選んだ。近代国家へ跳躍するためには「近代的国民」が必要だった。清の洋務運動のように単に制度や技術を変えるのではなく(実際には変えることもできなかったが)、一人一人の思考方式や価値観、行動様式を変化させる社会改革が明治維新だったのだ。
韓国人にとっては「征韓論」の元祖として否定的な人物だが、維新の精神的指導者だった吉田松陰に、著者は注目した。吉田松陰は、指導者が備えるべき四つの精神を教えた。志を立てる「立志」。この上なく誠実であれとする「至誠」。遠くのことをよく見聞きして洞察力を備えるべしとする「飛耳長目」。そして、死ぬまで立ち止まらないという「死而後已(ししてのちやむ)」だ。274ページ、1万5000ウォン(約1600円)。
兪碩在 (ユ・ソクチェ)記者
2025/11/02 07:00
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