中国の「限韓令」は解除できない…これ以上解除にこだわってはいけない理由とは

投稿者: | 2025年11月4日

 李在明(イ・ジェミョン)大統領が11年ぶりに韓国を国賓訪問した中国の習近平国家主席と韓中首脳会談をした後、中国の「限韓令」解除への期待が再び高まっている。ところが、韓国文化の中国進出を制限した「限韓令」が中国社会全般の統制装置へと進化したことを考えると、限韓令の解除は容易ではないとものとみられる。

 限韓令の解除ムードは1日、韓中首脳会談後、習主席とパク・チニョン大衆文化交流委員会委員長が愉快に対話し、国会外交統一委員会与党幹事である共に民主党のキム・ヨンベ議員がソーシャルメディアへの投稿で、限韓令が解除される可能性が高いと綴ったことで広がった。ところが、翌日の2日、大衆文化交流委は資料を出し、「外交上での原則的なおせじのレベル」だとし、「性急な判断」だと線を引いた。

 専門家たちは「限韓令の解除は非常に難しい」とみている。中国専門家である韓国金融研究院のチ・マンス先任研究委員は「限韓令は当初、2016年のTHAAD(高高度防衛ミサイル)の配備に対する『戒め』として始まったが、2021年頃に中国ファンダム文化の発展を驚いた中国当局によってその性格が変わった」とし、「限韓令は青少年に悪影響を与え共産党外部に組織を形成するリスクを防ぐ文化・芸能統制政策へと変わった。韓国と首脳会談や関係改善をしたからといって変わることはないだろう」と語った。

 実際、2021年韓国のアイドル選抜のためのオーディション番組「プロデュース101」を模した中国プログラム「青春ユニ3」が大きな人気を集め、当時番組スポンサーの蒙牛乳業が牛乳製品の蓋にあるQRコードを読み取ると、(一人が)何度も投票できるマーケティングを行ったことで、ファンが牛乳を大量買いし、QRコードだけを読み取って牛乳は捨てる事態が起きた。「27万本の牛乳が捨てられた」という推算が出たことを受け、「ファンダムの威力」に驚いた中国当局が芸能人の人気順位(発表)禁止▽コメントなどによる順位操作禁止▽ファンダムに対する芸能人所属事務所の管理責任の強化など、強力な規制に乗り出した。その後、中国では「大規模K-POP公演」はもちろん、米国や日本グループの大規模公演もほとんど実現していない。

 韓国が韓中関係改善の証拠として限韓令の解除にこだわることが、両国関係改善にかえって負担になっているという指摘もある。チ研究委員は「今回の首脳会談で関係改善の扉を開いただけに、韓国がどんな分野で中国と新しく協力できるかを考え、現実的で必要なことへの準備を万全に整えるのが次の課題」だと助言した。

2025/11/03 22:31
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/54632.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)