自動車がなぜGPU確保に力入れるのか…世界的チップ競争

投稿者: | 2025年11月5日

エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が韓国政府と企業に供給することを約束したグラフィック処理装置(GPU)26万枚のうち5万枚は現代自動車グループに割り当てられる。サムスン、SK、ネイバーのような半導体・IT企業ではない現代自動車になぜGPUが必要だろうか。自動車産業のパラダイムが変わったためだ。燃料を入れればよく走る運送手段にすぎなかった自動車はいまや「動く高性能コンピュータ」に変化した。世界の自動車業界がGPU確保に死活をかけている背景だ。

業界によると、世界の自動車メーカーはエヌビディアとの協力を急速に拡大している。テスラが代表的だ。エヌビディアからこれまで12万枚のGPUを供給されたとことがわかったが、最近チップ購入規模を年間数十億ドル水準に増やし追加導入に出た。GMは自動運転車開発と工場自動化に向けエヌビディアとの協力を推進中で、高性能GPU導入を検討中だ。メルセデス・ベンツ、ボルボなどもエヌビディアからGPUを一部導入したことがわかった。

 自動車業界の競争は自動運転、人工知能(AI)アシスタントなどソフトウェア定義型自動車(SDV)分野でますます激しくなっている。この競争に向け必要なのが高性能AI演算だが、GPUがこの過程の核心だ。自動車は数十個のセンサーとカメラ、超精密地図、AI判断システムがリアルタイムで作動し、このすべての機能を高度化するのに核心的な役割をするのがGPUなどの高性能半導体だ。だがGPUは供給が需要に追いつかず世界的に品薄となっている。このためGPU確保は自動車メーカーの技術競争力を左右する核心要素に浮上した。

ジェンスン・フアンCEOの約束によりエヌビディアのAIチップセット「ブラックウェル」GPU5万枚を確保することになった現代自動車もやはりSDV生態系転換に速度を増しそうだ。現代自動車の自動運転技術高度化は弾みをつけることになった。現代自動車の現在の自動運転技術力は一部世界的自動車メーカーに比べ遅れているとの評価を受ける。

現代自動車は2027年までに「レベル2+」水準の自動運転機能を量産するとの目標を立てたが、ホンダはすでに2021年に日本で世界初の「レベル3」技術を搭載した車を限定的に市販している。メルセデス・ベンツもやはりドイツと米国の一部地域でレベル3認証を獲得したドライブパイロットシステムを商用化し技術格差を広げているところだ。

現代自動車はまた、ブラックウェルGPUを活用して車内デジタルサービスも高度化する計画だ。個人化されたAIアシスタント、没入型インフォテインメント、ドライバーの状態分析を通じた適応型コンフォートシステムなど、AI中心の新たなユーザーエクスペリエンス(UX)開発分野だ。また、自動運転車に使われる電子制御装置(ECU)はスマートファクトリー内のロボットとセンサーにも活用されて技術の一貫性を高め、部品互換を通じて原価節約効果も期待できる。自動運転業界関係者は「今後現代自動車が確保したGPUでAIセンターまたは、スーパーコンピュータ級演算クラスターを運営したり、既存のデータセンターをアップグレードする可能性が大きいだろう」と予想した。

大徳(テドク)大学自動車学科のイ・ホグン教授は「自動車産業の未来競争力は高性能AI半導体をどれだけ安定的に確保するかにかかっている。GPUはSDV時代の頭脳であり核心インフラだ。半導体を早く確保した上でしっかり活用する企業が未来技術を先導するだろう」と話した。

2025/11/05 07:24
https://japanese.joins.com/JArticle/340618

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