最近「列島の少女たち」という名前で組織的性売買を行っていた日本の女性たちが韓国警察に逮捕された。この女性たちは、主にソウルの江南や京畿の盆唐で活動し、最大で155万ウォン(現在のレートで約17万8000円。以下同じ)の料金を取っていた。不法撮影など追加オプションを付けて1件当たり最高200万ウォン(約23万円)の料金を取った女性もいるという。韓国警察は、今回摘発した日本人女性のほかにも、さらに数十人の女性がいるものとみている。この女性たちの中には、専門のセクシー女優ではなく、特定の職業がない20代になりたての女性も含まれていた。
「列島の少女たち」が韓国警察に捕まったというニュースは日本国内でも報じられた。あるポータルサイトでは、このニュースを扱った記事がコメントの多い記事ランキングにも載った。その記事に付いたコメントの数はおよそ5700件。反韓感情をコメントでぶちまけたり、事実を認めなかったりするコメントが中心だろうと思ったが、予想とは違っていた。最も多く目についたキーワードは「恥ずかしい」だった。日本が貧しくなった状況を端的に示す事件で悲しくなった、という反応が大部分だった。
その中には、こんなコメントもあった。「恥ずかしい事件だ。過去の日本は海外の低賃金労働者、低所得層がお金を稼ぎに来る国だった。今は、日本でお金を稼げない人間が海外で体を売って外貨を稼いでいる。日本に未来はあるのだろうか」。また「同じ日本人として恥ずかしく思う。これから海外旅行に出掛けたら、日本人としていろいろと優遇されてきたこれまでとは明らかに違うだろうと思う」というコメントもあった。
Kポップアイドル文化が日本で広まっていることを懸念する声もあった。あるコメントには「周りは、完全に韓国式メークをしてミニスカートをはく女の子ばかり。また平成みたいな日本に戻ってくれたらとひたすら思う」とつづられていた。また「Kポップのメンバーに入るため韓国に来たがデビューできず、経済的困難に直面する中で日本にも戻れず、性売買の世界に足を踏み入れるケースも少なくない」という意見もあった。
こうした反応には、長い不景気を経験してきた日本国民の自嘲が混じっている。5月16日に日本の内閣府は、日本の今年第1四半期の実質国内総生産(GDP)が前期比でマイナス0.5%成長だったと発表した。23年第3四半期に続いて再びマイナス成長を記録したのだ。バブル経済崩壊後の「失われた30年」を脱出したと思われていたが、個人消費も減って輸出が減少した影響は大きかった。日本の大卒新入社員の初任給は月22万円で、韓国の最低賃金(月額206万ウォン=約23万6000円)より低い。
同じ日、韓国開発研究院(KDI)は、今年の韓国の経済成長率見込み値を2.6%に上方修正した。対外輸出の状況が改善したからだというが、民間消費者の体感景気はまだ冷え込んでいる。日本の長期不況の原因である高齢化と消費減少から、韓国も無縁ではいられないからだ。「韓国女性の性売買も多いのに、なぜ日本の女性が性売買したことばかり大書特筆するのか」という読者の質問にはこう答えたい。列島の少女たちが韓国に来たのは日本の不景気の断面であって、備えをしなければ韓国人も、予想外の国から届く恥ずかしいニュースを耳にすることになるだろう-と。
シン・ジイン記者
2024/05/21 10:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2024/05/21/2024052180018.html