「二酸化炭素の排出、今年過去最大…1.5度温暖化制限実現は不可能」

投稿者: | 2025年11月13日

ブラジルのベレンで気候変動に対応するための国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)が開催される中、今年も世界の二酸化炭素排出量が過去最大を更新するという悲観的な見方が出てきた。

12日(現地時間)、世界およそ90の機関の科学者らが参加した「グローバルカーボンプロジェクト(Global Carbon Project)」によると、化石燃料による世界の二酸化炭素(CO2)排出量は今年、過去最大の381億トンにのぼると予想される。これは前年比約1.1%増。

 国別に見ると、主な炭素排出国の米国と中国、インドともに炭素排出量が前年比で増加する見込みだ。米国は1.9%増、インドは1.4%増と予想される。中国は0.4%増で、過去数年間と比べて増加率が低下するとみられる。日本は炭素排出量が2.2%減少する見通しだ。グローバルカーボンプロジェクトはこうした内容の研究結果をこの日、国際学術誌ネイチャーに発表した。

国際社会の温室効果ガス削減努力にもかかわらず炭素排出量の増加傾向が続き、「地球温暖化1.5度抑制」目標も達成が事実上難しくなった。1.5度は国際社会が気候災難を防ぐために2015年のパリ協定で設定したマジノ線だ。

研究チームは「1.5度以下に温暖化を抑えるために残った炭素予算は事実上枯渇直前」とし、現在の排出ペースなら4年後の2030年に炭素予算がすべて消耗すると分析した。研究チームを率いたエクセター大学グローバルシステム研究所のピエール・フリーデリングステイン教授は「二酸化炭素排出量が依然として増加している状況で、地球温暖化を1.5度以下に維持するのはもう実現可能でない」と述べた。

◆「熱帯雨林、炭素吸収源から排出源に転換」

大気中の二酸化炭素濃度も産業化以前と比べて52%高い425.7ppmに到達し、過去最高値を更新する見込みだ。研究チームは特に地球の生態系の炭素吸収能力が低下した点に注目した。地球の「肺」のアマゾンなど主要熱帯雨林地域が吸収する量より多くの二酸化炭素を排出しているということだ。

研究チームは「気候変動と山林破壊の複合的な影響で東南アジアと南米の熱帯雨林の相当部分が二酸化炭素吸収源から排出源に転換した」とし「山林破壊を中断し、陸上に貯蔵された炭素の追加損失を防ぐ必要がある」と述べた。

韓国炭素プロジェクト総括責任者、ソウル大のチョン・スジョン環境大学院教授は「気候変動による猛暑、干ばつ、豪雨などは生態系炭素吸収能力を低下させていて、乾燥化で深刻になっている山火事は炭素吸収源を消している」とし「これは炭素中立達成のために人間がさらに炭素排出量を減らすべきという点を示唆する」と述べた。

2025/11/13 16:06
https://japanese.joins.com/JArticle/341004

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