国連の舞台でも「台湾有事の際、日本の集団自衛権の行使もあり得る」という高市早苗首相の発言に対する中国の攻勢が続いた。中国の国連大使は、日本が「平和の道を歩むという約束」を破ったとして、安全保障理事会(安保理)常任理事国の地位を求める資格がないと批判した。
中国官営「新華社通信」の19日付の報道によると、中国の傅聡国連大使は18日(現地時間)、ニューヨークの国連本部で開かれた安保理改革問題討議のための国連総会全体会議に出席し、「最近、高市首相が日本国会で『台湾有事は(日本にとって)存立危機事体になり得る』と妄言し、日本がいわゆる『集団自衛権』を動員して武力で台湾海峡問題に介入する可能性を示唆した」と発言した。さらに「この発言は極めて危険なもので、中国の内政に乱暴に干渉し、『一つの中国』原則とその原則を明示した日中4大文書の精神に深刻に違反ししている」と主張した。そして、日本が国際正義と国際秩序、国際関係を損ない、「『平和の道を歩む』という約束を公然と破ったため、安保理常任理事国の地位を求める資格そのものがない」と付け加えた。日本は常任理事国入りに向けて努力してきたが、安保理の構造改革と中国をはじめとする常任理事国5カ国全体の同意などが必要であり、実現は難しいとみられてきた。
中国は今年、抗日戦争勝利80周年を迎え、日本の侵略時期の歴史的事実と抗日精神などを大々的に強調してきた。高市首相の発言は、日本がこのような侵略の歴史を十分に反省していないことを示していると、傅聡大使は批判した。大使は、日本が第2次世界大戦当時、軍国主義の下で「存立危機」を口実に他国の侵略を敢行した事実に触れた。これを高市首相の発言と結びつけ、「存立危機事態」を前面に掲げて「軍国主義の二の舞を踏もうとしているのか」と皮肉った。また「高市首相は日本の平和憲法のうち『戦争放棄』条項の廃止を主張している」とし、「このように悪質な姿を見せる状況で、日本が平和の道を歩むという約束を守ると国際社会が信じることができるだろうか」と指摘した。
傅聡大使は「台湾問題で火遊びをすれば、すべての結果は日本が背負わなければならない」とし、強い圧迫を続けた。正面から対応するという意志も示した。傅聡大使は「日本があえて武力で台湾海峡情勢に介入すれば、これは侵略行為になり、中国は必ず真っ向から立ち向かい、断固として反撃する」とし、「私たちは国連憲章と国際法によって与えられた自衛権を確実に行使し、国家主権と領土を固く守っていく」と述べた。
中国共産党機関紙の「人民日報」も社説で、日本に対する警告の声を高めた。同社説は「高市首相が日中関係に投じた『毒』を自ら解毒しなければならない」とし、「(日本が)取れる唯一で正しい措置は線(レッドライン)を越えた火遊びを止め、誤った発言と行動を撤回すること」だと主張した。さらに台湾問題は中国の核心中の核心利益だと強調したうえで、「日本が中国を(台湾と)分裂させる戦車に自ら身を縛れば『悪果』を食べることになるだろう」と警告した。
2025/11/19 15:16
https://japan.hani.co.kr/arti/international/54771.html