忠清南道唐津(タンジン)港に自動車整備・検査・展示・保管など流通の全過程を遂行する統合物流施設が建設される。年間60万台を超える中古自動車輸出市場を狙った施設だ。
◆唐津港埠頭に自動車物流施設
忠清南道(チュンチョンナムド)の金泰欽(キム・テフム)知事は17日、忠清南道庁大会議室でオ・ソンファン唐津市長、イ・ジョンファンSKレンタカー代表取締役らと自動車産業と港湾物流を結合した「K-モビリティーオートハブ一般物流団地造成事業」業務協約を締結した。
この物流団地は唐津港古垈(コデ)埠頭近隣の72万平方メートルの敷地に建設される。自動車整備・検査・展示・保管など流通の全過程を遂行できる自動車統合物流体系とスマート物流システム、エコインフラなどを備える予定だ。SKレンタカーなどは特殊目的法人(SPC)のケイモビリティ株式会社を設立し、2030年までにこの施設に3839億ウォン(約410億円)投入する。
忠清南道と唐津市は協約を通じて物流団地造成、地域活性化投資ファンド公募、迅速許認可など行政的支援をする。SKレンタカーなど企業は土地提供、SPC参加、事業費投入、資金調達、経済的妥当性の確保などに積極的に協力する。忠清南道はこの施設が本格的に稼働すれば年間6兆5000億ウォンの生産誘発効果、2兆3000億ウォンの付加価値効果、770億ウォンの税収効果、8000人規模の雇用誘発効果で地域経済の活性化に大きく寄与すると見込んでいる。
また、唐津港一円に自動車検査と整備、部品など関連企業集積と自動車流通産業革新生態系の構築、忠南港湾産業競争力の強化、産業構造の高度化をはじめ、年間70万トン以上の新規物流量確保が可能になると予想される。この場合、埠頭・道路などインフラも同時に拡充されると期待される。忠清南道の関係者は「中古自動車はほとんど仁川(インチョン)港や釜山(プサン)港から輸出されている状況」と「これら港には整備施設などがほとんどなく、輸出用自動車が体系的に管理されていない」と説明した。道関係者は「輸出する前に自動車を管理する施設は唐津港が初めてになる」と話した。
金泰欽知事は「中古など自動車輸出市場は今後も拡大する」とし「忠南は従来の輸出国以外の新しい市場を開拓し、唐津港を通した輸出物量を増やす」と述べた。
◆中古車、昨年62万台輸出
韓国貿易協会、関税庁統計などによると、2023年の韓国の中古車輸出台数は63万5000台、昨年は62万台だった。今年上半期に輸出された中古車は43万7151台(39億ドル)で、上半期基準の自動車全体輸出台数の25%を占めた。このうち相当数はロシア・中央アジア・中東などへ向かうSUV、ピックアップ、1トントラックだ。
ロシア・ウクライナ戦争以降、西側の自動車企業がロシア市場から撤退し、現地では新車供給の空白を埋める代替財として韓国と日本の中古車に視線を向けているという。輸出国もキルギス・カザフスタン・タジキスタンの中央アジア3カ国とリビア・アルジェリアなど北アフリカ、そして一部の中東国家に拡大している。中古車業界は「ロシア・ウクライナ戦争で現地の道路事情が劣悪になっているうえ、新車部品の需給も難しくなり、耐久性が検証された韓国産SUVの需要が増えた」と説明した。
2025/11/20 15:10
https://japanese.joins.com/JArticle/341270