高市早苗首相の「台湾有事の際に自衛隊の介入の可能性」を示唆する発言以降に浮上した中日の軋轢(あつれき)が激化し、年内開催を目標に進められてきた韓中日首脳会議も事実上難しくなった。特に、米国とロシアまで両国の対立をめぐる舌戦に加わることで、国際的な外交戦へと飛び火し、韓国政府の外交負担が大きくなっている。
外交消息筋は23日、中日対立の余波で当分韓中日首脳会議の開催が困難になったムードを伝えた。共同通信は前日付けで、今年3カ国首脳会議の開催国である日本が、韓国と中国に来年1月の首脳会議の開催を目標に意思を打診したが、中国が事実上断ったと報じた。
実際、中国は24日に開かれる予定だった「韓中日文化相会議」への出席見送りを通知するなど、日本との会談を拒否している。南アフリカ共和国で22〜23日(現地時間)に開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)でも、中国の李強首相と高市首相の会談は実現しなかった。今回の会議初日、主要国首脳の記念写真撮影の際、両首相はわざとそっぽを向いて神経戦を続けたりもした。
問題は、両国の軋轢が米中競争と相まって、米国とロシアまで加勢した陣営対立構図に拡散する兆しを見せていることにある。ロシア外務省のマリヤ・ザハロワ報道官が18日、「ロシアは台湾をはじめとする主権・領土問題で引き続き中国に確固たる支持を送る」と論評したことを受け、米国のジョージ・グラス駐日大使は翌日、中国の日本産水産物輸入中断を「中国の典型的な経済的強圧」だと非難し、「同盟国である日本を支援する」と述べた。中国の傅聡国連大使は21日、アントニオ・グテーレス国連事務総長に高市首相の発言が不適切だったという書簡を送り、国際外交舞台に反日世論戦を拡大している。
国家安保戦略研究院のパク・ピョングァン首席研究委員は、「2010年の尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる中日間の紛争当時に比べ、今回は米中競争が一段と深刻化し、東アジアで軋轢が発生するたびに陣営化する様相が現れている」とし、「米国が日本の肩を、ロシアが中国の肩を持つのは域内の陣営化構図を端的に示している」と分析した。特に米国は最近、高官たちを通じて「韓国の原子力潜水艦建造が『中国』を狙ったもの」と発言することで、韓国も対中牽制に参加するよう圧力をかけている。「実用外交」を前面に出して中国との関係回復に力を入れている韓国政府にも負担にならざるをえない状況だ。
慶南大学極東問題研究所のイ・サンマン招聘教授は「米国としては韓米日三角構造の強化をさらに圧迫するだろう」としつつも、「(韓国政府がここに)揺さぶられてはならない」と語った。イ教授は「中国も日本との関係が冷え込んでいる状況で、韓国を攻撃するのに負担があるだろう」とし、「『国際法の秩序に従う』という原則の下、事案によって国益を中心に判断すべきだ」と話した。
2025/11/24 01:31
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