台湾の頼清徳総統の就任式に韓国国会議員が出席したことに対し、中国が「韓国に厳正な抗議を提起した」と明らかにした。今週末に予定されている韓日中首脳会談が公式日程の発表だけを残した状況で「予定された反発」だった。
◆「台湾を無断訪問…断固糾弾」
在韓中国大使館の報道官は21日、SNSを通じて、前日に台湾台北総統府で開かれた頼総統の就任式に趙慶泰(チョ・ギョンテ)国民の力議員ら出席したことについて「中国側の強い反対にもかかわらず、中国台湾地域を無断訪問した」とし「一つの中国原則を公然と違反し、中韓戦略的協力パートナーシップ関係に逆行した」と批判した。そして「中国側はこれに断固反対し、糾弾する」とした。
韓国は前例に基づき、今回の台湾総統の就任式に公式的には政府代表団を派遣しなかった。その代わりにイ・ウンホ駐台北代表部代表と韓台議員親善協会長の趙慶泰国民の力議員、同じ党の趙廷訓(チョ・ジョンフン)議員らが出席した。にもかかわらず在韓中国大使館の報道官はこの日、「韓国国会議員は韓国国民を代表する公式性格」と主張して反発した。
在韓中国大使館の報道官は2022年2月の北京冬季オリンピック(五輪)ショートトラック競技で不公正判定をめぐる論争があった当時も「韓国のメディアと政治家が反中感情を扇動している」と主張し、論争を呼んだ。当時も相手国の韓国に対する批判の必要性だけでなく本国の中国の視線を意識して強硬な表現をしたという指摘があった。
◆韓日中首脳会談控えて中国の態度を懸念
実際、この日の中国の反応は予想されていた。韓国は2016年の蔡英文前総統の1期目就任式でも政府代表団は派遣せず駐台北代表が出席し、今回もこうした前例に従った。しかし中国は韓国の主要人物が就任式に出席したという事実だけでもこれを反発の名分にした。韓国がそれなりに水位調節をしたことを理解しながらも、台湾問題は中国の核心的な安保利益に該当する事案であるだけにこのように非難したと分析される。
懸念されるのは26、27日の開催で調整中の韓日中首脳会談を控え、中国が応じない可能性が最後まで残っているという点だ。今回の3カ国首脳会談は事実上、日程の公式発表だけを残している。外交部当局者はこの日、日程の発表が遅いという記者らの指摘に対し、「3カ国が参加するだけに、各国の事情を考慮しながら発表の日時を最終確定する手続きが残っているが、ほとんど終えた状況」と説明した。
外交関係者の間では「最終発表のカギを握っているのは中国」という見方がある。韓日中の協力はそれぞれの2国間関係が複雑に絡んでいるだけに、およそ4年ぶりの首脳会談開催を主導する議長国の韓国政府として2国間関係の管理にも心血を注ぐしかない。
中国は今回の台湾総統就任式に関連し、日本に対しては韓国よりも強く反発した。日本からは現役与野党議員37人が出席したが、これは過去最大規模だ。日本も政府代表団は派遣しなかった。
呉江浩駐日中国大使は前日、東京で開かれた座談会で「公然と台湾独立勢力に加担するものだ」とし「断固反対する」と明らかにした。韓国では大使館報道官が前面に出てきたが、日本では大使が直接発言した。
2024/05/22 09:17
https://japanese.joins.com/JArticle/318932