自衛隊がNATOの演習に初参加…空挺部隊の司令官自らパラシュート降下

投稿者: | 2025年12月2日

 陸上自衛隊の「陸上総隊」の傘下にある空挺(くうてい)部隊「第1空挺団」が、11月7日から28日にかけてイタリアで行われたNATO(北大西洋条約機構)の多国籍空挺演習「マングスタ25(Mangusta 25)」に参加した。空挺団を率いる石原由尊(よしたか)陸将補は、隊員と共に落下傘を着用して自ら降下した。陸上自衛隊がアジア・太平洋地域ではない欧州で行われる訓練に参加したのは、今回が初めてだ。

 今回の合同演習には、日本とイタリアをはじめ米・英・仏・独・西・ポーランドの軍人が参加した。80年前に幕を下ろした第2次世界大戦の戦勝国(米英仏)と敗戦国(独伊日)、そして大国間の争いに巻き込まれて廃虚と化したスペイン、ポーランドまで集まったのだ。非欧州国である日本の参加は、これまで日本本土の防衛に集中してきた自衛隊の行動半径がアジア・太平洋を越えて欧州・大西洋にまで拡大したことを示すものだ―という分析が出ている。

 自衛隊の活動範囲の拡張は、陸上部門だけに局限されない。今年9月と10月に開かれたNATO空軍の合同演習には、航空自衛隊が創設以来初めて参加し、北米・欧州の空軍基地に戦闘機・輸送機・空中給油機と隊員180人が投入された。日本の戦闘機・輸送機がカナダや欧州の上空を飛ぶのも、今回の演習が初めてだ。日本で開かれる多国籍演習も、アジア・太平洋の範囲を超えている。ロシアの極東地域に近い北海道で11月に開かれた陸上自衛隊の「令和7(2025)年度英陸軍との実動訓練(ビジラント・アイルズ25)」には、フランス・ドイツ・イタリア・ポーランドまで参加し、過去最大規模となった。

 こうした状況を、専門家らは「列強の覇権争いの中で韓半島情勢を管理すべき韓国にもプレッシャーになるかもしれない」とみている。韓国軍問題研究院のキム・ヨルス安保戦略室長は「日本は、アジア・太平洋地域で紛争が発生した場合に欧州の介入が避けられない状況を念頭に置いて物事を組み立てている」と語った。韓国国家戦略研究院のキム・デヨン軍事専門研究委員は「韓国はポーランドなど防衛産業輸出国との軍事協力を強化し、外交・安保の地平を広げるべき」と指摘した。

アン・ジュンヒョン記者、キム・ボギョン記者

2025/12/02 10:00
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