高市早苗首相の「台湾有事介入」示唆発言で冷え込んだ中日関係が領有権紛争地域の尖閣諸島(中国名・釣魚島)にまで広がった。中国は日本漁船を自国の領海から追い出したと主張した半面、日本は中国海警船が日本の領海に侵入したと反論した。
2日の中国国営新華社通信によると、中国海警局の劉徳軍報道官は声明を出し、「日本漁船『瑞宝丸』が中国釣魚島領海に不法進入した」とし「中国海警艦艇が法に基づき統制措置を取って警告し、退去させた」と明らかにした。
劉報道官は「釣魚島とその付属島嶼は中国固有の領土」とし「日本はすべての権利侵害・挑発活動を直ちに中断するべき」と強調した。また「海警はこの海域での法執行活動を継続し、国家の主権と海洋権益を断固守護する」と述べた。
中国政府は日本が実効支配中の尖閣諸島が自国の領土という主張を連日強めている。中国外務省の林剣報道官も前日のブリーフィングで「釣魚島の主権は歴史的脈絡と法的根拠が明確だ」とし、日本側の領有権資料提示は「根拠のない主張」と批判した。
半面、日本の共同通信・NHKなどはこの日午前、中国海警船2隻が尖閣諸島周辺の「日本領海」に進入し、約3時間後に退去したと報じた。日本第11管区海上保安本部はこの中国船舶はともに機関砲を搭載していたと明らかにした。
日本側によると、中国海警船は尖閣海域で操業中の日本漁船に接近しようとし、日本海上保安庁巡視船が領海の外に出るよう要求すると接続水域に移動した。中国海警船が尖閣諸島近隣を航海したことは先月16日以来で、今年に入って確認された中国海警船の尖閣海域進入は29日目となる。
緊張は高市首相が先月の日本衆議院で「台湾有事における自衛隊の武力介入の可能性」を示唆して以降、急速に高まった。中国はこれを「内政干渉」と規定し▼韓中日首脳会議の無期限延期▼日本産水産物の輸入禁止▼文化交流の遮断など報復措置を相次いで出している。
中国は海上・空中軍事活動も増やしている。中国海事局によると、遼寧・秦皇島海域で2~8日に実弾射撃を含む軍事任務を遂行すると公示した。中国の専門家らは日本の行動を「戦後タブーだった軍事拡張」と規定し、批判の程度を高めている。
日本もフィリピンとの安保協力を強化し、中国を牽制した。日本海上自衛隊は先月29日、フィリピン軍と南シナ海で合同訓練を実施し、日本政府はフィリピンに「03式中距離地対空ミサイル」輸出を打診中であることが分かった。
香港サウスチャイナモーニングポスト(SCMP)は「日本のミサイル輸出検討は中国当局の反発を招くはず」と分析した。中国軍事専門家の張軍社氏は「これは地域の安定に深刻な脅威であり、軍国主義復活の危険な信号」と主張した。
両国は国際社会でも対立している。中国の傅聡国連大使は2日、グテーレス国連事務総長に書簡を送り、「日本が根拠なく中国を非難し、責任を転嫁している」と主張した。日本の山﨑和之国連大使は「中国が力による一方的な現状の変更を試みている」と反論した。
2025/12/03 07:59
https://japanese.joins.com/JArticle/341705