王室祠堂「観月堂」、100年の時を経て帰還…寄贈した日本人住職が韓国大統領表彰を受ける

投稿者: | 2025年12月9日

約1世紀にわたり日本に置かれていた朝鮮時代の建築物「観月堂」が、ついに韓国へ戻った。この返還を可能にした日本人、高徳院住職の佐藤孝雄氏は、文化遺産の保護と韓日間の友好増進に尽力した功績が認められ、大統領表彰を受けることになった。

国家遺産庁は9日、今年の国家遺産保護功労者として個人10名と団体2件を選定したと発表し、観月堂を無償で寄贈した佐藤住職を主要表彰対象者の一人に挙げた。

 観月堂は、王室の祠堂と推定される朝鮮時代の建築物で、日帝強占期の1920年代に、朝鮮殖産銀行を経て日本の実業家・杉野喜精氏に所有が移り、その後の約100年間、鎌倉の高徳院に保管されてきた。佐藤住職は2002年に住職に就任した後、この建物は韓国に戻るべきだと判断して返還を進め、日本国内の一部右翼団体の反発を受けながらも、その意志を貫いた。

佐藤住職は、解体費用と運送費をすべて自費で負担し、今年6月には国家遺産庁および国外所在文化遺産財団と協約を締結して、観月堂の全ての部材を条件を付けずに寄贈した。観月堂は現在、坡州(パジュ)市の伝統建築修理技術振興財団の収蔵庫に保管されている。

国家遺産庁は、佐藤住職が「文化遺産を通じて韓日友好と交流を実践することに大きく寄与した」として、表彰理由を説明した。

このほか、キム・ソンユル水営野遊保有者、パク・ムンヨル豆錫匠保有者、李相海(イ・サンヘ)成均館(ソンギュンガン)大学名誉教授が銀冠文化勲章を受章する。また、パク・ガンチョル全南(チョンナム)文化遺産研究院長、パク・ホジュン弓矢匠保有者らが宝冠文化勲章の対象に選ばれ、ハンガンナム病院のイ・サンギル院長は文化褒章を授与される。

さらに、パン・ファソン扇子匠保有者、チョ・ジョンファ百済古都研究所理事、韓国陶磁財団・京畿(キョンギ)陶磁博物館、楊口郡(ヤンググン)サンヤン・サヒャンノル(カモシカ・ジャコウジカ)センターなども大統領表彰を受ける。

同日午後、ソウル民俗劇場「風流」では「第2回国家遺産の日」記念行事が開かれ、受賞者に表彰が授与される。国家遺産の日は、1995年12月9日に石窟庵(ソッグルアム)・仏国寺(プルグクサ)、海印寺(ヘインサ)蔵経板殿、宗廟(チョンミョ)が韓国で初めて世界遺産に登録されたことを記念して制定された。

2025/12/09 14:58
https://japanese.joins.com/JArticle/341942

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