米中葛藤がピークだ。地政学的な葛藤だけではない。経済部門でも対決が激しい。こうした両国の間に挟まれた企業がある。情報技術(IT)革新のアイコン、米アップルだ。グローバルメディアはアップルの新製品に反映された華麗な革新に注目する。ところが英フィナンシャルタイムズ(FT)の米サンフランシスコ特派員スティーブ・マクギー氏はアップルの華麗ではない裏側を追跡した。iPhoneなどがどこでどのように生産されているのかに目を向けた。その結果が最近出版された『アップル・イン・チャイナ(Apple in China)』だ。マクギー氏は著書で「アップルが中国の罠にはまった」と診断した。どういう意味なのか、中央日報が画像インタビューで尋ねた。
–アップルは中国でも声を高めているのか。
中国でアップルの地位は習近平が国家主席になった2013年以降変わった。それ以前までアップルは甲の立場だった(took the upper hand)。当時、市場経済革新の象徴であるiPhoneを作るアップルは触れることのできないグローバル企業だった。アップルは中国の低賃金・低福祉・低人権を活用して最も成功した結果を出した。中国でiPhoneを安く生産して多くの利益を得た。
–そのアップルの地位が習近平主席の執権以降どうなったのか。
中国メディアが企業の不正や問題点を批判し始めたのは1990年代後半からだ。不良食品を作って売る自国の企業を先に激しく批判した。そして2010年代には外国企業に対しても批判し始めた。2012年に米マクドナルドとフランス流通会社カルフールが衛生問題を指摘された。翌年の2013年に標的になった外国企業がアップルだった。同年、中国国営CC-TVはアップルが中国の消費者を差別していると暴露した。海外では故障したiPhoneを新しい製品と交換するが、中国では再生部品で修理するという内容だった。報道後、中国政府が動いた。結局、ティム・クック最高経営責任者(CEO)がCC-TV事態から18日後、中国語の謝罪の手紙を出すことになった。ところがこれは始まりにすぎなかった。
–どういうことか。
中国でメディアを総括する国家新聞出版広電総局が2016年、iTunesとiBooks Storeサービスを停止した。サービスが始まってから半年後だった。アップルが中国企業を入れずに単独でサービスしたというのが理由だった。クック氏は中国の権力者を訪ねて2700億ドルを中国に投資すると約束した。この投資のおかげで「中国製造2025」を計画して推進することができた。
中国製造2025はITなど10大戦略産業で先進国との格差を減らし、中国が「世界の工場」から2025年までに「製造強国」に変身するための戦略だ。マクギー氏によると、クック氏が約束した2700億ドルは、日本が1979~2007年にした中国投資300億ドルや第2次大戦直後に米国が西欧復興(マーシャルプラン)に使った1300億ドル(2016年ドル価値基準)よりはるかに多い。
–このようなアップルをトランプ米大統領が好むはずはないが、トランプ-アップルの葛藤はまだ表面カしていない。
私が好きな質問だ。『アップル・イン・チャイナ』 には、クック氏が米ワシントンでどのようにプレーしているかが説明されている。クック氏は習近平が主席になった2013年から中国北京で権威主義政府と取引してきた。その過程でワシントンの権威主義政府(トランプ政権)をどう扱うべきかを体得した。
2025/12/09 15:36
https://japanese.joins.com/JArticle/341945