高架天国日本も、土地が広いオーストラリアも…地下高速道路を作る理由[世界の地下道路を行く](1)

投稿者: | 2025年12月10日

先月5日午後、オーストラリア・シドニーのキングジョージストリートから地下高速道路「ウェストコネックス」に入った。シドニー西部のM4高速道路と南西部のM5高速道路の間の途切れている区間をつなぐ道が22キロメートルの地下道路として2015年に着工し2023年に開通した。

民間資本による事業で総額1兆6000億円の工事費が投入され、オーストラリアでは最も長い地下道路だ。トンネルの天井には制限速度と交通情報を案内する電光掲示板が短い間隔で設置されていた。制限速度は時速90キロメートルだが、車の流れによって随時変化した。

 前方に故障車が止まっている状況では時速40キロメートルまで制限速度が引き下げられた。トンネルの壁面には白いエナメルコーティング鋼板パネルが設置されており、地下なのに走っている間はそれほど暗さを感じることはなかった。ドライバーに注意を喚起するサイレンの音や華やかな照明はなかった。

トンネル内では大型トラックもたくさん目に入った。退勤ラッシュ時間前で車が多くなかったおかげで22キロメートルの全区間を走破するのに20分ほどしかかからなかった。現地の関係者は「地下道のおかげで所要時間が大きく短縮されて反応が良い。ただ高い通行料(片道約1600円)が難点」と話した。

オーストラリアをはじめとして米国、フランス、ドイツ、スペイン、スウェーデンなどさまざまな国で高速道路が地下に延びようとしている。道路容量の増大、住民の不満解消、周辺再開発、環境保護など、目的はそれぞれ違うが、地下高速道路が大きな流れとしての位置を確立していくことだけは明らかだ。

シドニーのライバル都市であるメルボルンでも地下道路事業が活発だ。M80高速道路とM3有料道路を連結する長さ6.5キロメートルのノースイーストリンク地下高速道路事業が代表的だ。2028年の完工を目標に韓国のGS建設が参加しており、事業費だけで3兆円に達する。

また、メルボルン西部と都心をつなぐウェストゲート橋の交通量分散に向けた4キロメートルの地下道路建設事業も今年末の完工を控えている。土地が広いオーストラリアであえて地下に道路を作る理由は主に大型トラックと住民の反対のためだ。

GS建設現地法人のイ・ジェウ部門長は「オーストラリアの物流の中心は大型トラックだが、住宅地付近では事故が頻繁に起きるため苦情が相当にある。このため大型トラックを最初から地下に送るため地下道路事業が多く行われている」と話した。厳格な環境規制のために地上での道路建設が難しいことも一因だ。

高架道路天国と呼ばれる日本でも地下道路事業が続いている。2015年に東京で開通した最長18.6キロメートルの山手トンネルが代表的だ。東京の最も内側にある循環道路の首都高速道路中央環状線の西側区間(新宿線、品川線)で、事業費だけで1兆6000億円以上かかった。

先月11日午前、羽田空港近くから進入した山手トンネルもやはりきらびやかな照明や騒々しいサイレンの音は見られなかった。危険物輸送車両を除き中型・中大型トラックとバイクも通行が可能だった。

2025/12/10 11:40
https://japanese.joins.com/JArticle/341990

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