全区間を走るのに30分から1時間ほど必要とされるが、地上の道路よりは所要時間が短く利用する車が多いという。首都高速道路東京西局の中村充土木保全部長は「最初は高架道路などとして計画したが、住民の反対を考慮して地下道路に変更した」と話した。
地下35メートルの山手トンネルと地上35メートルにある首都高速3号線の高架道路を連結する大橋ジャンクションも名物だ。70メートルの高低差を克服するためにジャンクションを4階のループ構造で作った。車がループを大きく回って目的地方面に抜ける方式だ。
大橋ジャンクションはトンネルの換気所の役割も担っており、地上構造物はまるで円形のスタジアムを連想させるように建てられている。ジャンクション上部には公園を作って住民に開放した。
東京では既存の高架道路を地下に移設し、日本橋付近を再開発する事業も進行中だ。老朽化した高架道路を撤去して新たに掘るトンネル区間は1キロメートルほどだ。
首都高速道路の石田高啓事業推進部長は「1964年の東京五輪後に車が急激に増え高架の高速道路を大挙建設したが、現在は老朽化が激しい。首都高速道路327キロメートル区間の高架道路のうち53%が建設から40年以上過ぎている」と話した。
これらの高架道路を撤去して新たな高架道路を作る案は住民の反対が激しいため、お金と時間が多くかかっても地下に行くほかないというのが首都高速道路の説明だ。
このように多様な理由と方法で地下高速道路事業が推進されているが、共通しているのは徹底した安全管理だ。ウェストコネックスの場合、建設前にデジタルツイン技法を用いて火災や交通事故のような各種事故の可能性をあらかじめ点検し、換気システムなど対応策を用意した。
デジタルツインは実存する施設または個体をデジタル空間上に再現したコピー版で、現場で収集されたデータを基盤に仮想環境で多様なシミュレーションや分析を通じて予測判断と制御を可能にする技術をいう。韓国国内でもさまざまな所に導入されている。
ウェストコネックス事業に参加したオーストラリアのニューサウスウェールズ大学のビナヤク・ディクシット教授は「デジタルツインを通じて実際の道路と似た状況で火災だけでなく用途別の照明効果、トンネル内のドライバーの視野変化など多様な実験と検証を経た」と話した。
ウェストコネックスはそばのトンネルに避難が可能な非常通路が平均して120メートルごとに設置されており、トンネルの外に脱出できる非常口も240メートル間隔で作られており、避難通路だけで190カ所に上る。トンネル内の交通状況を観察し有事の際に非常対応をする管制センターも24時間体制で運営中だ。
日本の山手トンネルなどにも最高水準の防災対策が用意されている。先端の換気システムもやはり必須だ。このような努力のおかげでウェストコネックスや山手トンネルとも開通後に重大事故は起きていないという。
2025/12/10 11:41
https://japanese.joins.com/JArticle/341991