「面接は1回だけ、キャリアにも有利」 台湾、韓国人材をこうして引き寄せる[新JAKOTA時代](1)

投稿者: | 2025年12月12日

#10日午後3時、ソウル大学冠岳(クァナク)キャンパス301棟(第1工学館)1階。学科ジャンパーを着た学生たちの間に、スーツ姿で明らかに緊張している面持ちの人々が目についた。世界3大メモリー半導体企業である米国マイクロン(Micron)台湾法人の採用面接を待つ就活生たちだ。

昨年先に入社した同期の推薦で応募したというホさん(26)は「台湾にはグローバル企業が多く進出しており、キャリアを築くのに有利で、業界を見る視野も広げられると思った」と話した。「1回の面接で合否が決まる」という条件も魅力だ。昨年は国内主要大学の採用で計98人が合格した。

 サムスン電子とSKハイニックスの競合社であるマイクロンは、台湾を高帯域幅メモリ(HBM)の主要生産拠点とするなか、韓国人材の確保にもスピードを上げている。今月8日の高麗(コリョ)大学を皮切りに、9日は漢陽(ハニャン)大、10日はソウル大で採用に乗り出した。合格者は台湾で勤務する。米国企業による採用ではあるが、台湾の半導体エコシステムに韓国人材が吸い込まれていく形だ。

台湾の新入エンジニアの年俸は概ね3万5000〜5万ドル(約545万〜778万円)水準で、韓国より高いとは言い難いが、ファブレス(システム半導体設計)とファウンドリー(半導体受託生産)が有機的にシナジーを生む半導体エコシステムの魅力を掲げている。

これまで東アジアの半導体は「JaKoTa(ジャコタ、日本・韓国・台湾)」を中心に成長してきた。日本は素材・部品・装置、韓国はメモリー、台湾はファウンドリを担う“三角分業”構造だ。1980年代以降、「圧倒的メモリー1位」である韓国が先頭格だったが、近年、台湾が世界ファウンドリ1位企業TSMCを中心にJaKoTaの新たな軸に浮上している。

台湾TSMCはわずか5年前までは時価総額でサムスン電子(4421億ドル)に及ばなかったが、2021年に逆転し、11日現在、時価総額1兆ドルの企業に成長した。上場企業の時価総額で世界8位だ。米国ビッグテックの「代理生産基地」にすぎなかったファウンドリがAIサプライチェーンの核心となり、先端工程の歩留まりを確保したTSMCに注文が集中している。

TSMCの独走は台湾エコシステムを潤した。TSMCが独占するエヌビディア(NVIDIA)の先端チップ物量は、フォックスコン(サーバー組立)やASE・SPIL(パッケージング)へと流れていった。アップル(Apple)のiPhone製造企業だった台湾フォックスコンは、単なる組立を超えて先端AIサーバー企業となり、ASEは世界1位の先端パッケージング企業となった。米国AI半導体の両軸であるエヌビディアとAMDのCEOがいずれも台湾系であることも少なからず影響したものとみられる。

日本の動きも本格化している。日本政府は2022年、トヨタ・キオクシア・ソニーなど8社の大企業を動員してファウンドリー専門企業「ラピダス(Rapidus)」を設立し、「2ナノメートル(1ナノメートル=10億分の1メートル)以下のプロセス自立」を目指して莫大な補助金を投入した。累積支援規模は2兆9000億円に達する。

2025/12/12 09:36
https://japanese.joins.com/JArticle/342088

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