米、韓・日など5カ国と対中国牽制「パックス・シリカ」宣言

投稿者: | 2025年12月12日

 ドナルド・トランプ米政府が中国の核心鉱物に対する支配力を牽制し、AI・半導体などの核心技術で中国に対抗するために韓国・日本をはじめとする友好国連合を構成した。

 米国務省は11日(現地時間)報道資料を出し、米国務省のヘルバーグ経済担当次官が12日、日本、韓国、イスラエル、オーストラリア、シンガポールの代表とともに「パックス・シリカ宣言」に署名することで、「パックス・シリカ」を発足すると明らかにした。米国務省はパックス・シリカは「新しい形態の国際的協力体でありパートナーシップ」とし「世界で最も進んだ技術企業を保有する国家を一つに集めて新しいAI時代の経済的潜在力を極大化することが目標」と説明した。合わせて各国が先端半導体、核心鉱物、エネルギーなどを「共有する戦略資産」として協力するのは今回が初めてだと明らかにした。

 中国に直接言及はしなかったが、この協議体は米国がAIの発展に核心的な半導体・核心鉱物分野で中国を牽制するためのもので、米国は他の国々も参加するよう促している。米国側の代表であるヘルバーグ次官は、ポリティコ(政治に特化した米国のニュースメディア)に今回の宣言が「中国の一帯一路インフラ構築事業に対抗するために参加国家間の共同研究開発、製造およびインフラ開発を推進」することを骨子とすると説明した。ヘルバーグ次官は2日、ブルームバーグ通信とのインタビューでも「現在、AI市場は米国と中国の両者間の競争構図が明確だ」として「私たちは中国と肯定的で安定的な関係を維持しようとしているが、同時に競争する準備もできている。韓国企業が強圧的依存関係に置かれずに革新技術を開発できるよう保障しようと思う」と明らかにしたことがある。

 報道資料で国務省は「パックス・シリカ」が「新しい経済安保パラダイム」とし、平和、安定、長期的繁栄を意味するラテン語「パックス」(Pax)と半導体素材である「シリカ」(Silica)を併せて命名したと明らかにした。それと共に「パックス・アメリカーナ」や「パックス・ロマーナ」の例に言及したが、パックス・シリカが「パートナー国家にAIが主導する繁栄の時代を保証する堅固な経済秩序を構築しようと思う」と付け加えた。圧倒的な力で迫りくるAI時代を主導するという抱負を込めた名前だという趣旨だ。

 この協議体と関連してポリティコは「今回の計画はトランプ行政府が中国のレアアース独占体制と他の部分で現れるグローバルサプライチェーンに対する中国の支配力をどれほど深刻に考えているかを示している」と指摘した。また、AIと量子コンピューティングに莫大な投資を続けている中国が、今後この分野で優位を占める可能性があるという米国の懸念を反映していると分析した。

 12日、6カ国宣言署名式の後には米国と日本、韓国、シンガポール、オランダ、英国、イスラエル、アラブ首長国連邦(UAE)、オーストラリアなどが参加して初のパックス・シリカ会議が開かれる。ヘルバーグ次官は「このような国家連合は、AI時代において産業時代に主要7カ国(G7)が占めた位置のような役割をするだろう」と話した。

 これに先立つ11日、日本はワシントンで米国と先にパックス・シリカと関連して多層的パートナーシップを共同で追求するという両国協力文書に署名した。

2025/12/12 19:05
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/54950.html

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