「韓国の立場で第2次トランプ政権が出した国家安全保障戦略(NSS)の核心とみるべきは『アチソンライン』と『グアムドクトリン』が巧妙に融合している点です」。
スタンフォード大学のダニエル・スナイダー教授は11日、中央日報との電話インタビューでこのように話した。その上で「より重要なことはNSSが非核化だけでなく北朝鮮まで言及しない状況で韓半島(朝鮮半島)が米国の新たな防衛ラインから抜けている意味をしっかり認識できずにいること」と強調した。彼は過去ジャーナリストとして韓国と日本を取材した米国内の代表的な東アジア外交・安全保障専門家に挙げられる。彼に第2次トランプ政権が4日に出した初のNSSの意味を聞いてみた。33ページのNSSにはトランプ政権の外交安保分野構想が総合的に整理されている。
――アチソンラインとグアムドクトリンは韓国にどんな影響を及ぼしたか。
「1950年1月に当時のアチソン国務長官はアラスカから日本とフィリピンにつながる防衛ラインであるアチソンラインを作った。そして5カ月後にスターリンの承認の下に金日成(キム・イルソン)の南侵が行われた。また、1969年にニクソン大統領はベトナム戦争末期に『アジア諸国が安全保障に自ら責任を持つことを奨励する権利がある』というグアムドクトリンを宣言した。その結果が韓国からの第7歩兵師団の撤収だった」。
――2つの事案が結びついたというのはどんな意味なのか。
「NSSで阻止線として提示した第1列島線はアチソンラインのように韓国を排除している。同時にトランプ政権はグアムドクトリンから一歩踏み込んで韓国と日本に第1列島線防衛に対する役割を分担することを明確にした。同盟国の国防に対する言及は全くない。北朝鮮と向き合っている韓国の立場では北朝鮮と核兵器、さらに韓半島に対する言及さえない」。
第1列島線は日本南部と沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオを結ぶ線だ。中国が戦略的空間拡張に向け通過しなければならない遮断ラインに近い。NSSは「米国が第1列島線のどこであれ侵略を阻止する軍隊を構築するだろうが、単独では実行できず、そうではならない」と明示した。
――北朝鮮と対峙する韓国の役割は何か。
「ひとまず在韓米軍の再配置完了まで(韓半島は)自分でやれという意味だ。台湾有事の際に介入を要求されるのは日本になるだろう。ヘグセス長官は国防費支出と関連し韓国を模範国と話した。これに対し日本はまだ彼にとって模範国ではない。ただ長期的に韓国は北朝鮮のため米国に依存しなければならず、これは台湾有事の際に韓国軍も介入できるという意味となる」。
2025/12/14 12:54
https://japanese.joins.com/JArticle/342133