――韓国で安全保障不安が拡大するほかなさそうだ。
「NSSが伝えようとするメッセージがまさにそれだ。米国はもう同盟国には気を遣わないということで、同盟国が米国のために何をするかにだけ気を遣うだけで米国が同盟に向けてする必要はないという宣言だ。ところで考えてみてほしい。米国が北朝鮮防衛に関心がないならば韓国がなぜ台湾で起きることに気を遣わなければならないのか。それがなぜ韓国の義務なのか」。
スナイダー教授は日本の高市早苗首相による台湾有事関連発言で激しくなった中日対立局面でトランプ大統領が沈黙する背景を問われると「トランプ大統領の大衆戦略はひたすら収益創出にだけ合わせている。その目標を妨げるどんなものも望まないため」と話した。
――トランプ大統領の態度に対し韓国でも懸念が出ている。
「根本的に金と政治と権力の問題だ。始まりは高市首相の過度な発言で、結果的に失敗したがいまになって退くこともできない。女性である高市首相は強いイメージが必要で、これは経済状況が良くない習近平主席もやはり関心を愛国主義に向ける有用なカードをただで得た。トランプ大統領は(中国に大豆を売らなければならない)農民のことだけ考えている。トランプ大統領は中国を刺激するリスクを抱えてまで高市首相を支持することはできない」。
――それでは韓国はどのような対中戦略を立てるべきか。
「中国は韓日を離間させようとしている。APEC会議の時に習主席は李在明(イ・ジェミョン)大統領にはとても友好的だったが、高市首相との会談はとても短く緊張感があふれた。事実高市首相の『台湾発言』まで意図したのかわからないが、習主席が高市首相を圧迫してテストしようとしたのは間違いなさそうだ。危険な状況だ。国内政治まで重なり統制不能になる可能性もある」。
外交的危機に陥った高市首相は9日、「竹島は日本の領土」という突発発言を出した。韓国との共助が必要なタイミングで出てきた国内政治用発言の可能性がある。
スナイダー教授はトランプ大統領が揺るがしてしまった同盟の意味に対して説明しながら何回も虚しい笑いを繰り返した。その上で「結局韓国人は核兵器で自らを守らなくてはならないという考えをさらに強く持つようになり、結局そうしたこと(自らの核保有)が起きる可能性が大きくなった」とした。続けて「韓国の核保有は可能になり得るが、その過程でもう中国と北朝鮮は絶対に静かに待たないだろう」としながら東アジアの安全保障脅威が高まる可能性に対して深い懸念を表わした。
2025/12/14 12:55
https://japanese.joins.com/JArticle/342134