高市首相「中国に扉を閉ざしていない…意思疎通続ける」

投稿者: | 2025年12月18日

 高市早苗首相が自身の「台湾有事」発言で中日の軋轢(あつれき)が深まる中、「中国は日本にとって重要な隣国であり、建設的かつ安定的な関係を構築していく必要がある」と述べた。

 高市首相は17日、臨時国会の会期終了後、東京の首相官邸で開かれた記者会見で、「日中間には、経済安全保障を含む安全保障上の懸念事項が存在している」とし、「率直な対話を重ね、『戦略的互恵関係』を包括的に推進していきたい」と語った。特に先月7日、国会答弁で言及した「台湾有事は日本の存立危機事態」発言と関連し、「私の答弁は、日本政府の従来の立場を変えるものではない。この点を様々なレベルで、中国及び国際社会に対して粘り強く説明していく考え」だと付け加えた。

 同日の高市首相の釈明は、中国との対立を触発させた先月7日の発言を念頭に置いたものとみられる。当時、高市首相は「(台湾海峡などで中国の)解除封鎖を解くために米軍が来援をする、それを防ぐために何らかの武力行使が行われる事態も想定される」とし、「(中国が)戦艦を使って、武力の行使を伴うものであれば、これはどう考えても(日本の)『存立危機事態』になり得るケース」だと述べ、中国の強い反発を招いた。中国は台湾問題を「核心的利益の核心」である領土問題と見なしているが、高市首相の発言は台湾有事の際に自衛隊が介入する可能性を示したものであるからだ。

 特にこの日の会見後、記者団との質疑時間には「首相の本音としては、前者のような多少の妥協とか配慮はしてでも中国との関係は良好に進めたいとお考えか、もしくは、相手の耳の痛いことでも主張して、多少の衝突はいとわないとお考えか、どちらか」という質問が注目を浴び得た。これに対して高市首相は「日中間に懸案と課題があるからこそ、意思疎通が重要だ。扉を閉ざすというようなことはしていない」とし、「このような姿勢の下で、中国側とも意思疎通を継続しつつ、今後も国益の観点で適切に対応していくという考え」だと答えた。さらに「この件で、日中関係についてドナルド・トランプ米国大統領が沈黙している」という指摘に対し、「トランプ大統領とは緊密に意思疎通を行っている」とだけ答えた。

 中国政府は高市首相が発言撤回などの措置を取らなければ、経済・外交分野などで報復措置を継続するという立場だ。自身の発言で触発された中日の対立が1カ月以上続くと、高市首相も少しずつ態度の変化を見せている。

 高市首相は前日、国会でこの問題と関連した野党議員の質問に「従来の政府の立場を超えて答弁したように受け止められたことを反省点として捉える」としたうえで、「どのような事態が存立危機事態に該当するかについては、実際に発生した事態の個別具体的状況に即して政府がすべての情報を総合的に判断するというのが政府の一貫した立場」だと答えた。「台湾有事」発言直後だった先月11日「今後、反省点として今後は特定のケースについて明言することは慎む」と述べたことに比べても、さらに身を縮めたものといえる。

 一方、高市首相は韓国と関連しても「李在明(イ・ジェミョン)大統領とは、隣国ゆえに立場の異なる諸懸案はありますが、両首脳のリーダーシップでそれらを管理する」とし、「日韓関係を未来志向で安定的に発展させていくことで合意した」と説明した。さらに、今後の韓日関係について、「日韓のシャトル外交を積極的に進めていく」と付け加えた。

2025/12/17 18:19
https://japan.hani.co.kr/arti/international/54995.html

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