日本で朝日首脳会談への悲観論が広がっていると日本メディアが22日、報じた。岸田文雄首相は拉致問題解決のために昨年から首脳会談への強い意欲を示しているが、北朝鮮をめぐる情勢の変化などにより実現は容易ではないということだ。
朝日新聞と日本経済新聞は22日、朝日首脳会談20周年に合わせて「足踏み状態」にある朝日交渉について報じた。2004年、小泉純一郎首相(当時)が訪朝し、金正日国防委員長(同)と会談して20年が過ぎたが、両国の首脳会談は当面実現しそうにない。岸田氏は今月11日、拉致被害者の一括帰国を求める集会に参加し、「トップ同士が腹を割って率直に話し合えるような関係を構築していくことが重要だ」と述べ、ハイレベル協議に言及して首脳会談実現への強い意思を示したが、進展はない状態だ。
朝日新聞は、岸田氏が(昨年)朝日首脳会談を推進し始めた時は、官邸内外で期待感が高かったと報じた。昨年3月と5月の2度にわたり、朝日両国は東南アジアで水面下の接触を行い、首脳会談の実現を期待したということだ。当時、日本の高官を平壌に派遣する案まで議論されたが、対話はこれ以上進まなかったという。
膠着状態だった対話に意外なメッセージを送ったのは北朝鮮だった。今年1月の能登半島地震の際、金正恩国務委員長はお見舞いの電報を送った。金正恩氏は電報で岸田氏を「閣下」と称し、これを受けて林芳正官房長官は記者会見で「金正恩委員長のメッセージに感謝を表する」と発言。交渉進展への期待感は高まった。
しかし、金与正朝鮮労働党副部長が今年3月、相次ぐ談話を出し、冷ややかな雰囲気となっていった。核開発や日本人拉致問題などを取り上げるなと要求したのに続き、(岸田氏が北朝鮮に早期の首脳会談の意向を伝えてきたと明らかにした)3月25日の談話からわずか2日後に「日本側といかなる接触もしない」と対話に応じない考えを示した。
朝日交渉に詳しい外交関係者に間では、当初から岸田首相の手法が安易だとして冷めた声が上がっていた。匿名を求めたある消息筋は「朝日交渉の基本は、北朝鮮に拉致問題は解決済みと言わせないことだ。それが出来ていないようでは話にならない」と語った。2004年以降、朝日協議が進展したのは2008年と2014年だったが、この際、北朝鮮は拉致問題の再調査に応じた。
日本国民が納得しうる拉致問題の調査結果を北朝鮮から得るのは困難だという見方も強い。2014年から2015年まで続いた日朝協議の中で、北朝鮮は新たに拉致被害者2人の生存情報をもたらしたが、日本側は「他の拉致被害者に関する新たな情報がない」として北朝鮮側から報告書の受け取りを拒否した。横田めぐみさんらに関する新たな情報が出てこない限り、日朝関係の進展はないということだ。
日本メディアは、国際情勢の変化も原因に挙げる。ロシアのウクライナ侵攻により、北朝鮮とロシアの関係が近付き、北朝鮮と中国も一層緊密化したという点だ。実際、金正恩氏は昨年9月、ロシアを訪れ、プーチン大統領と会談した。
岸田氏は今年4月、バイデン米大統領と会談し、朝日首脳会談への支持を改めて得たが、日経は北朝鮮に対するバイデン氏の関心度の低さが小泉氏訪朝時とは異なると指摘した。当時、ブッシュ米大統領は北朝鮮に対して、イラン、イラクとともに「悪の枢軸」と呼び、北朝鮮への関心が高かったということだ。
2024/05/23 08:31
https://japanese.joins.com/JArticle/318994