「宇宙でキムチのモッパンした」…地球に帰還した韓国系宇宙飛行士

投稿者: | 2025年12月22日

「完全に韓国人でも、完全に米国人でもないということは簡単ではありませんでしたが、その経験が他者を理解する力になりました」
 約8カ月間にわたる国際宇宙ステーション(ISS)での初任務を終え、9日(現地時間)に地球に帰還した米航空宇宙局(NASA)所属の韓国系宇宙飛行士、ジョニー・キム氏(41)は、19日にNASAジョンソン宇宙センターで開かれた記者会見で、「韓国人としてのアイデンティティが人生にどのような影響を与えたか」という中央日報記者の質問にこう答えた。

キム氏は「韓国系米国人として育ったことが、アイデンティティの形成に大きな影響を与えた」とし、「多くの1世・2世移民と同じように、二つの世界の狭間にいるという感覚を抱いていた」と打ち明けた。さらに「それは決して容易ではなかったが、他人を理解し、共感(empathy)する力を育て、今日の自分を形作ってくれた」と付け加えた。

こうした背景は、キム氏が見つめる国際協力の価値にもつながっている。韓国宇宙航空庁の発足に関連し、キム氏は「非常に誇らしく、今後の活動が楽しみだ」とし、「NASAがこれまで主導してきたように、国々が協力し合うことで、より大きな成果をあげられることを示す先例」と評価した。

韓国料理への愛情も格別だった。キム氏は「出発前に家族や知人が海苔やキムチ、ご飯を持たせてくれたが、宇宙ステーションのメニューにはそうした食べ物がまったくなかった。それを食べながら故郷の味を感じられたのが本当に良かった」と、笑顔で振り返った。これに先立ち、インスタグラムを通じて、コチュジャンやキムチ、スパムやレトルトご飯などの韓国料理を食べる様子を公開し、韓国ファンの関心を集めていた。

ジョニー・キム氏は1984年米国ロサンゼルスで韓国系移民家庭に生まれ、高校卒業後に米海軍に入隊し、ネイビーシールズ(Navy SEALs)第3チームに配属されてイラク戦争にも2度参加した。戦火の中で劣悪な戦場救急医療の現実を目の当たりにし、2012年に海軍医務外科局の将校としてハーバード大学医学専門大学院に合格、2016年に卒業後は医師へと転身した。その後、2017年にNASA宇宙飛行士に選抜され、今年4月から約8カ月間、ISS第72・73次長期探査隊のフライトエンジニアとして活動し、科学研究や技術実証に参加した。

帰還の感想については、地球の感覚を再び味わえる喜びを強調した。キム氏は「再び天気を感じ、風が肌に触れる感覚を味わえるのが本当にうれしい」と語った。成果としては生命科学分野の研究を挙げ、日本実験モジュール(実験棟)内の生命科学グローブボックスで行った「MABEL(メイベル)」実験に言及し、骨幹細胞を培養して骨量減少を抑える方法について研究したと説明した。この研究は宇宙飛行士の健康管理だけでなく、地上の骨格・筋肉疾患研究にも意義があるという。

宇宙での生活については、「地球では簡単なことが宇宙では非常に難しく、地球では難しいことが宇宙ではとても簡単な場合が多い」とし、「水筒を置くという単純な行動ですら無重力環境では容易ではない一方、非常に重い物体でも指一本で押せる」と説明した。続けて、最も恋しかったものとして「家族」を挙げ、妻や子ども、伴侶犬について触れた。同時に「本当に、本当に恋しかったのは、技術や情報への自由なアクセスだった。正直に言えば、携帯電話が恋しかった」と笑った。

この日の会見は、後輩宇宙飛行士への助言で締めくくられた。キム氏は「任務の成功を左右するのは技術ではなく、人をどう扱うかだ」とし、「傾聴、リーダーシップ、同情、共感力が最も重要だ」と強調した。

2025/12/22 08:03
https://japanese.joins.com/JArticle/342430

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