【コラム】「韓国の嫁」の手料理を味わおうと観光バスを貸し切り…日本の山村にある「小さな韓国」(2)

投稿者: | 2025年12月22日

韓国の嫁たちが漬け始めた13種類にも及ぶキムチも大きな役割を果たした。キムチブランド「うめちゃんキムチ本舗」を育て、日本全国へと広げた金梅永(キム・メイヨン、日本名・阿部 梅子)さん(64)もその一人だ。韓国の嫁たちが作ったキムチは高麗館で販売され、「本場の味」という評判が口コミで広がり人気を集めた。韓国をテーマにした珍しい施設を見ようと、観光バスを貸し切って学生たちが訪れるほど、人々でにぎわった。

しかし、少子高齢化という時代の流れの中で、高麗館にも危機が訪れた。村の人口は高麗館設立当時の半分に減り、建物など施設の老朽化による修繕や財政問題も表面化した。施設全体の運営をわずか4人で担うほど状況は悪化し、戸沢村の悩みも深まっている。加藤村長は「在日本大韓民国民団山形県本部の支援などで維持管理を続けてきたが、規模が大きく全面改修には至っていない状況」と説明する。

 村の施設である高麗館の委託運営を担う最上峡芭蕉ライン観光株式会社によると、年間来訪者数は2023年には6万5004人に達したが、昨年は5万6667人に減少した。最近では近隣に高速道路が開通した影響で、来訪者数が約9%減ったという。土田駅長は「高麗館は本当に大切な存在」と語り、「活性化に向けてさまざまなアイデアを模索している」と説明する。春と秋にコスプレイベントを開き、年に1度ランタンフェスティバルを開催するなど工夫を重ねているが、大規模な集客には力不足なのが現状だ。

最近では、高麗館の厳しい状況が在日同胞の間にも伝わり、関心が高まりつつある。この日、高麗館を見学するため大阪から訪れた在日本韓国人総連合会のパン・ソンミン企画分科委員長は、「高麗館活性化のため、同胞として何ができるのかを考えていきたい」と語った。

高麗館の衰退を見つめる「韓国の嫁」たちも、やりきれない思いを隠せない。大友さんは「高麗館が再び息を吹き返し、米国ロサンゼルス(LA)のコリアタウンに匹敵する名所になってほしい」と話す。金梅永代表も「山形県だけでも同胞は2500人いる」とし、「高麗館が同胞たちの実家のような存在となり、韓日友好の象徴として根付いてほしい」と語った。

戸沢村=キム・ヒョンイェ特派員

2025/12/22 15:56
https://japanese.joins.com/JArticle/342478

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