この地域だけで日本のGDP抜いた…中国「揚子江クラスター」の力

投稿者: | 2025年12月24日

設計の米国、ファウンドリーの台湾、メモリーの韓国、装備の欧州、素材・部品の日本。半導体は徹底した世界的分業体制で、これらすべてをやる国はこれまでなかった。中国が「その国」になろうとしている。中国は長期的観点で資金を注ぎ込むビッグファンドと、関連企業を密集させて育てるクラスターを通じ半導体生態系の穴を埋めつつある。

中国革新の心臓はファーウェイがある深圳だが、革新を現実にするのは実物チップを生産する揚子江三角州クラスターだ。上海・江蘇省・浙江省・安徽省にわたるこの地域は中国の国土の4%だが、中国の国内総生産(GDP)の25%を占める。揚子江クラスターの昨年の域内総生産(GRP)4兆6700億ドルは日本のGDP4兆1000億ドルを抜いた。

 9月に中国江蘇省無錫で開かれた第13回半導体設備年次会議(CSEAC)は中国の「国家資本投入」と「集積化」戦略を端的に見せた。人口750万人の中小都市無錫にはSKハイニックス(メモリー)、華虹半導体(ファウンドリー)、JCET(パッケージング)などを中心に半導体の設計・製造・工程・装備・材料チェーンが形成された。無錫のGRPは1兆6300億元(約36兆円)で、釜山(プサン)、仁川(インチョン)、蔚山(ウルサン)を合わせたものより多い。

会議開会式で中国1位の半導体装備企業ナウラの北方華創科技集団の趙晋栄会長は「中国の大型装備企業の売り上げは2021~2024の4年間に年平均45%ずつ増えた」と話した。中国は2019年に国家集積回路投資ファンドを作り、装備・素材・ソフトウエアの国産化を集中支援した。半導体工場に中国製装備を20~30%入れることを義務づけ、補助金も与えた。そのおかげで中国装備企業はSMIC、華虹、中国長鑫存儲技術(CXMT)などに装備を納品して成長した。

極端紫外線(EUV)露光装備を作るオランダASMLなど半導体装備は欧米が絶対優位だ。ファーウェイから特許と人材を移転して2021年に設立したサイキャリアはここに挑戦する。この会社は3月のセミコンチャイナ見本市で先端装備5種を一気に公開し業界を驚かせた。サイキャリア設立時に深圳市国有資産監督管理委員会が資金を出し主要株主になった。莫大な研究開発費用を地方政府資本で解決したのだ。

成均館(ソンギュングァン)大学化工学部のクォン・ソクチュン教授は先月の中央フォーラム講演で「ファーウェイは独自のファブがなくても中国全域11カ所のシャドウファブで望むチップを生産できる。中国政府が昨年設立したビッグファンド3期は収益回収時期が2044年」と述べた。20年待つ中国政府の「忍耐資本」のおかげでこうした構造を備えたということだ。

中国は韓国が強い分野である広帯域メモリー(HBM)に挑戦している。CSEAC2025で開かれたほとんどのセミナーでHBMに言及し、SKハイニックスとサムスン電子に納品する韓国HBM装備企業には中国のラブコールがあふれる。しかし中国経済金融研究所のチョン・ビョンソ所長は「来年以降韓国の素材・部品・装備売り上げ増加が萎縮する可能性が大きい」と警告した。中国が韓国メモリーに遅れをとった3年が「最後のゴールデンタイム」ということだ。彼はHBMを戦略物資で管理し、退職したエンジニアを大学教授として採用して技術流出を防止し、韓国政府が次世代HBMとファウンドリーに直接支援すべきと提言した。

2025/12/24 10:23
https://japanese.joins.com/JArticle/342562

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