今年、日本では26年間維持されてきた自民・公明連立政権が幕を下ろした。議会の与党議席縮小で総選挙と政界再編の可能性が常時化した。韓国に友好的だった石破内閣が辞任した後「強い日本」の再建を掲げた高市早苗内閣が発足したのは、日本社会の保守化を反映した結果といえる。高市内閣は厳重な国際情勢を考慮し、米日同盟と韓日および韓米日協力を重視するという立場だ。ところが首相のほか官房長官・防衛相など靖国神社参拝履歴を持つ政治家が内閣に多数布陣しているのは歴史認識の保守化を見せている。
李在明(イ・ジェミョン)政権は対日外交の目標を「韓日関係の未来志向的発展」に設定し、李在明大統領が米国より日本を先に訪問するなど、対日外交の不確実性を早期に解消した。国内政治と連動した「親日-反日」のフレームを克服し、国民的な支持を受ける超党派的で一貫性のある対日外交の推進が重要な課題になった。ところが日本政治の保守化と多党化による不確実性の増加は我々の対日外交に不安要因だ。内閣の政権基盤が脆弱な場合、敏感な過去の問題が含まれる韓日協力に対する日本側の動機付与が制約される可能性があるからだ。
したがって我々の実用主義対日外交が成果を出すためには、積極的な関与と意思疎通を通じて日本側の呼応を引き出し、過去の問題や独島(ドクト、日本名・竹島)問題のような葛藤要因を管理し、共生協力の好循環構造を定着させることが重要だ。そのためには政界および民間など多層的な意思疎通チャンネルを強化し、韓日協力の戦略的重要性に対する共感を広める必要がある。まず、首脳会談およびシャトル外交を活性化して最高指導者間の信頼を構築し、外交・財務・経済・国防など閣僚会談と実務協議を定例化する必要がある。対外政策を担当する内閣官房、国家安全保障会議(NSC)、外務省および防衛省などの当局者と円滑な対話チャンネルを維持し、外交・国防(2プラス2)閣僚級協議体を新設することが求められる。
次に高市首相の政治的後援者として知られる麻生太郎元首相と自民党の指導部のほか、野党政治家との定期的交流および訪韓招請を拡大し、韓国に対する友好的な認識を誘導する必要がある。2000年代以降、両国政界の世代交代と政治環境の変化で知韓派と知日派の人脈が減った。2010年代には韓日間で葛藤局面が長期化しながら、議員外交の代表的なプラットホーム「韓日および日韓議員連盟」の政治力と影響力が衰退した。これは政府間外交を側面から支援し、葛藤状況で仲裁および緩衝機能を提供する非公式チャンネルの役割不在につながった。したがって自民党・維新の会の連立与党はもちろん、立憲民主党、国民民主党、参政党など野党議員の積極的な日韓議員連盟加入を誘導する必要がある。
また、議員連盟に所属していない議員の間でも活発な交流がなければいけない。例えば常任委員会を活用した分野別政策交流、若手議員中心の次世代交流活性化、選挙区の類似性に基づく地域レベルの交流拡大などが検討できる。地域活性化政策や観光商品開発事例など実質的な経験を議員間で共有できるプラットホームを開発するのも案だ。与党・野党間または政策性向が似た政党間の交流を活性化すれば、党レベルの信頼形成に役立つ。
最後に、韓日フォーラムなど民間レベルの意思疎通チャンネルを強化し、1.5トラック戦略対話と市民社会間協議機構を新設し、実質的な協力方案を議論する必要がある。その議題には韓日経済共同体議論、青年雇用創出およびスタートアップ支援、経済安全保障およびサプライチェーン問題、再生・水素エネルギー協力、両国企業の第3国共同進出のほか、両国の政府、地方自治体、大学および民間主導で運営中の次世代・青少年交流事業と社会文化交流の拡大案が含まれなければいけない。また、少子高齢化、外国人労働者、首都圏集中および地方発展、農業、災害防止、インフラ老朽化など両国共通の社会問題に対応するための共同研究も推進する必要がある。
チョ・ヤンヒョン/国立外交院教授/リセットコリア韓日関係分科委員長
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2025/12/29 13:35
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