北朝鮮が核弾頭を搭載できる戦略巡航ミサイルを発射したと29日、明らかにした。来年初めの第9回党大会を控えて国防部門の成果を浮き彫りにする一方、韓国だけでなく日本までも射程距離に置く長距離戦略巡航ミサイルを実戦配備することが可能だとして脅威を与える狙いがあるとみられる。
労働新聞はこの日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が出席した中、前日(28日)に戦略巡航ミサイル発射訓練が進行されたと報じた。韓国軍合同参謀本部の関係者は「韓米協調の下、北のミサイル発射兆候を鋭意注視していた」とし「28日8時ごろ、順安(スンアン)一帯から発射された巡航ミサイル数発を捕捉し、韓米情報当局が細部諸元を精密分析中」と明らかにした。
同紙は今回の訓練について「長距離ミサイル区分隊の反撃対応態勢と戦闘能力を検閲し、ミサイル兵を機動と火力任務遂行手続きに熟達させ、該当戦略武器体系の信頼性を点検することを目的に進行した」と主張した。北朝鮮が巡航ミサイルを運用する大隊級以下の単位を示す「長距離ミサイル区分隊」という名称を公開したのは今回が初めてだ。
ミサイル専門家のクォン・ヨンス国防大名誉教授は「北はすでに15回以上も巡航ミサイルを発射しながら諸般性能の検証を終えた」とし「移動式発射台(TEL)とミサイルが建物を打撃する場面まで公開したのは完全な戦力化段階ということを誇示する意図がある」と指摘した。
同紙は「ミサイルは1万199秒(2時間49分59秒)、1万 203秒(2時間50分3秒)、朝鮮西海(ソヘ、黄海)上空に設定された軌道に沿って飛行し、標的を命中打撃した」と主張しながらも、正確な射程距離は公開しなかった。軍の内外では飛行時間からみて射程距離1800~2000キロ級のファサル2型を発射し、2000キロ前後を飛行したという分析が出ている。これは日本列島全体を射程圏内に置くということだ。
これに先立ち北朝鮮は2022年10月にも長距離戦略巡航ミサイルを発射し、「1万234秒(2時間50分34秒)飛行して2000キロ先の標的を命中打撃」したと主張した。
専門家の間では、北朝鮮が従来の資産で探知・迎撃が難しい巡航ミサイルを原子力潜水艦と同時に稼働する場合、韓米の防御網が無力化されるという懸念もある。実際、金正恩委員長は「核抑止力の構成の部分に対する信頼性と迅速反応性を正常に点検し、その威力を持続的に誇示すること自体が、安全が脅かされている現情勢局面での責任ある自衛権行使であり戦争抑止力行使」とし「今後も国家核戦闘武力の無限大と持続的な強化発展に総力を尽くしていく」と強調した。
慶南大のイム・ウルチュル極東問題研究所教授は「今回のミサイル発射は韓半島(朝鮮半島)全域はもちろん、在日米軍基地まで精密打撃できる能力を立証しようという狙いがある」とし「金正恩委員長が第9回党大会を控えて『強力な国防力は結局、人民の平和な生活を守るための手段』という点を完成させようとする姿」と指摘した。
一方、合同参謀本部はこの日、「8月のUFS(乙支フリーダムシールド)演習期間に延期した連合野外機動訓練22件をすべて施行した」とし「年中均衡を保った連合防衛態勢の維持と訓練環境の保障のため、UFS演習期間に計画された韓米連合訓練40件余りのうち22件の日程を調整した」と明らかにした。
UFS期間後に進行された主な訓練には連合戦術降下訓練、人命救助作戦訓練、装備整備支援訓練、戦闘射撃訓練などがあり、飛行場被害復旧訓練など2件は韓国側が単独で実施したというのが、合同参謀本部の説明だ。
2025/12/29 14:21
https://japanese.joins.com/JArticle/342730