少し前の韓国企画財政部の大統領業務報告を見て苦々しい気持ちを隠せなかった。韓国政府は2026年の経済成長率目標を1.8%と捉え大きく鼓舞されたようだ。新年を「韓国経済大跳躍の元年」とした。1.8%は1%台の低成長ではないのか。大跳躍元年というには気まずい水準だ。いっそ率直な方が良かった。「来年も1%台の成長が避けられないからさらに奮発する。政府を信じて応援してほしい」と。経済規模が大きくなり、少子高齢化で人口構造が変わり以前のような高成長が難しくなった。そうだとしても3%の成長があれば雇用ができ、消費と投資も安定的になされ好循環に乗ることができる。1.8%では力不足だ。
韓国は低成長に慣れていない。朴正熙(パク・チョンヒ)政権以降1%以下の成長は4回だけだった。第2次オイルショックと新軍部クーデターで混乱した1980年のマイナス1.5%、通貨危機当時の1998年のマイナス4.9%、世界的金融危機直後である2009年の0.8%、コロナ禍が襲った2020年のマイナス0.7%。いずれも経済に途轍もない打撃を与える突発事件があった。韓国経済はそのたびにばねのように跳ね上がる驚くべき復原力を見せた。振るわなかった前年と比べ翌年の成長率が大きく反騰するのが韓国の成長公式だった。いわゆるベース効果だ。実際に通貨危機から抜け出し1999年の成長率は11.6%に達した。2021年にはコロナ禍の衝撃を吸収し4.6%反騰した。
異常兆候が現れたのは2023年からだ。大きな事件はなかったのに1.6%の成長にとどまった。世界がコロナ禍を克服するために資金を大幅に放出した後遺症を患った。ロシアとウクライナの戦争で世界的供給網が崩れインフレが深刻になった。だが1%台の成長に落ちるほど深刻な状況ではなかった。同年米国は韓国より高い2.9%成長した。2024年はベース効果もなかった。かろうじて2%台に入った。2025年の1.0%、2026年の1.8%に続き韓国銀行は2027年も1.9%にとどまるという暗鬱な見通しを出した。2023~2027年の5年間1%台の低成長のトンネルに閉じ込められるということだ。こんなことでは危機が迫るのではないかと懸念するが、危機はすでに始まったと言っても過言ではない。日本の「失われた10年、30年」のように、韓国が一度も経験したことのない「失われた5年」を予約した形だ。
2025/12/30 11:32
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