【リセットコリア】構造改革先送り続ければウォン安は解消できない

投稿者: | 2026年1月5日

昨年7月初め以降、ドル安にもかかわらずウォンの価値が下落した。特に9月中旬以降は急落した。これにより韓国経済は大きな負担を受けた。例えば国際原油価格が下落したが、ガソリン価格は上昇した。輸入物価上昇率は昨年11月に前年同月比でドル基準ではマイナス2.3%だったが、ウォン基準では2.2%だった。そうでなくても4-6月期の実質所得増加率0%のため家計は苦しかったが、ウォン安にともなう物価上昇で家計はさらに苦しくなった。

幸い年末にウォンの急激な下落は鈍化した。しかしウォン下落の主要因として個人投資家の海外株式投資を挙げた韓国銀行の見解は議論を引き起こした。妥当性のためだったが、昨年1~6月の株式と負債性証券を合わせた韓国人の月平均海外証券買い入れは116億9000万ドル、外国人の韓国証券投資は月平均37億4000万ドルだった。すなわち海外からの流入資金と韓国からの資金流出を考慮すればその差額は月平均79億5000万ドルだった。為替相場が不安だった7~10月に海外への純流出証券関連金額は月平均61億9000万ドルだった。ドルが上がった負担もあったが、個人投資家の米国証券市場への過剰投資のせいにしていた時期に個人投資家の投資は20%以上減っていた。

 為替相場と成長率、金利の間の関連性は高い。成長率が高い国の通貨価値は成長率が低い国よりも高い蓋然性が大きい。また、正常な状況では金利が高い国の通貨価値は金利が低い国より高い。ところが通常は成長率が高い国の金利は成長率が低い国より高い。

要するに為替相場に成長率の影響は絶対的だが、国際通貨基金(IMF)は2025年の韓国の成長率を0.9%で0%台と推定した。この水準はIMFの201の成長率推定国のうち下位10.5%に属する。歴代政権が構造調整、先端産業育成、労働改革など革新を先送りしてばらまき政策で国家経済を運営してきた結果だ。また、韓国の基準金利は2015年以降2020年初めを除けば米国より低く、昨年末現在で韓国より政策金利が低いのは台湾、日本、欧州連合(EU)など一部にすぎない。

このように経済が弱いとウォン相場は耐えがたい。実際に2017年からドル指数比のウォン下落速度は速かった。ドル価値が「1」上昇しただけでウォンの価値は「1」以上下落した。この余波によりドル基準で外国人の韓国株式買い越し累積は2018年1月の1173億ドルをピークに2022年7月には650億ドルまで減った。昨年10月には886億ドルに増えたが、国際株式市場ではいま韓国株は短期売買対象と見なされているようだ。また、外国人投資家が買う銘柄の範囲も狭かった。

こうした状況ではドル需給が伴わない衝撃にもウォンが大きく下落しかねないが、昨年下半期にそのような事案があった。低成長の渦中に企業を固く締めつける労働組合および労働関係調整法改正案が昨年10月に国会を通過した。この点が為替相場にも影響を及ぼしたようだ。海外変数もある。昨年10月に日本の高市早苗首相が就任し、アベノミクスを継承した。このため円が急速に下がり、これまで円とともに騰落したウォンも下落圧力を受けた。また、米国の3500億ドルの投資要求が外国為替市場を混乱させた。

為替不安の根本原因は複数の政権にかけて累積した。ここに衝撃要因が発生し為替相場が急激に揺れたのだ。経済体質を変えなければ為替不安と物価上昇が拡大しかねない。韓国政府はこうした現実に基づいて対策を立てれば良い。この過程で国民に対策施行の負担事案を率直に吐露し了解を求めれば良い。

海外事例は参考にできる。現在のドイツを作ったというシュレーダー元首相の政策、フランスの失業率を1980年以降最低に引き下げたマクロン大統領の執権初期政策、ブラジル経済を活性化したルラ大統領の第1次政権当時の政策だ。これらの政策は労働改革と企業支援を骨子とする。政権が変わっても企業を揺さぶらない台湾も模範事例だ。

申性浩(シン・ソンホ)/元IBK投資証券社長、リセットコリア経済分科委員

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2026/01/05 12:02
https://japanese.joins.com/JArticle/342961

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