【ニュース分析】韓中「関係正常化」固めたが…対立懸案は解決できず

投稿者: | 2026年1月7日

 中国を国賓訪問中の李在明(イ・ジェミョン)大統領は6日、全国人民代表大会の趙楽際常務委員長、李強首相と相次いで会談した。前日の習近平国家主席との首脳会談に続き、序列第2位と3位の最高位級の人士とすべて会ったわけだ。共産党機関紙の人民日報はこの日、1面トップで韓中首脳会談を2枚の写真とともに報じるという「破格編集」で遇した。中国政府が韓国との2国間関係をそれだけ重視しているというシグナルを発したのだ。

 米中競争と日中対立、ベネズエラ事態などの緊迫した国際情勢の中で行われた中国政府首脳部との公式日程がこの日で事実上終わったことにより、韓国政府は、両国関係が「完全な正常化」へと向かう最初の関門を通過したとため息をついている雰囲気だ。ただし朝鮮半島の非核化、限韓令の解除、西海(ソヘ)の構造物をめぐる対立の解消など、両国の間に横たわる敏感な懸案の具体的な解決は、今後の課題として残した。

 昨年11月1日の慶州(キョンジュ)会談に続き、2カ月ぶりに行われた今回の韓中首脳会談の成果は、THAAD配備への中国による報復と尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の反中政策で悪化していた両国関係が「全面回復」の動力を得たことだ。李大統領は「今回の会談は、2026年を韓中関係全面回復の元年にする重要な契機」になったと述べた。習主席は「韓中関係の全面的な回復と発展の動力を強固にするとともに、相違点を尊重しつつも共通点を模索して、韓中戦略的協力パートナーシップを深化させよう」と述べた。

 ただ、国賓訪問だったにもかかわらず共同声明が発表されず、両国の発表文の焦点も異なっていたことは、韓国政府にとっては後味が悪い。実際に両首脳は、民生と経済などでの実用的な相互利益の確保には一定の成果をあげたが、域内の安保秩序と中国内の韓国文化規制、西海をめぐる対立などの敏感な懸案では、見解の相違を明確に狭めることはできなかった。

 韓国政府が最も力を入れた安保問題である「朝鮮半島の平和および非核化」については、ウィ・ソンナク国家安保室長は首脳会談ブリーフィングで、「両首脳は北朝鮮との対話の再開の重要性、朝鮮半島の平和と安定のために建設的役割を果たすという中国の意志を確認し、これにもとづき韓中首脳は、平和の構築に向けた創意的方策の模索を継続することで合意した」と語った。

 しかし、中国がどのような「建設的」な役割を果たすかは不透明だ。1200字からなる中国側の発表文には、「朝鮮半島の非核化」はもちろん、両国首脳が朝鮮半島問題について議論したという表現がまったく登場しない。米中覇権競争の中で地政学的意味が高まった北朝鮮を意識した結果だとみられる。成均中国研究院のイ・ヒオク名誉院長は「今は朝鮮半島の状況について韓中が具体的成果をあげることは難しい」として、「ただし両国は、協力して朝鮮半島の平和構築に寄与しようということではコンセンサスを形成したとみられる」と語った。国家安保戦略研究院のキム・ソンベ院長は、「両国首脳は非核化議題に反発する北朝鮮を意識し、意図的に非核化には言及しなかった。李大統領としては帰国後、なるべく早い時期に米国のトランプ大統領と電話会談し、今回の韓中首脳会談の議論内容を説明しつつ、朝米対話の開始に向けた戦略的協力策を議論すべきだ」と助言した。

 韓国側の予想通り、安保問題での中国の焦点は「台湾問題」だった。このような雰囲気は「(李大統領は)韓国は中国の核心利益と重大な懸念を尊重し、『一つの中国』を堅持すると語った」と強調した中国側の発表文にも表れている。中国は「対日本での協力」と「米国の覇権主義と保護主義に対する共同対応」にも意味付けしている。中国側の発表文は、習主席が「80年あまり前、両国は莫大な民族的犠牲を払って日本軍国主義に抗し、勝利した」と述べたこと、李大統領が「韓中はともに日本軍国主義の侵略に抗戦した。韓国は中国が韓国の在中独立運動の遺跡を保護したことに感謝する」と述べたことを伝えている。習主席は公開発言で、「歴史的に正しい方に立ち、正確な戦略的選択をしなければならない」と述べ、米中競争で韓国の選択を注視するという「圧力」メッセージを発している。

 韓国の関心事である「限韓令」問題では、両国は「受け入れ可能な分野から漸進的、段階的に文化コンテンツ交流を拡大しようというコンセンサス」を形成したが、中国内のKポップ公演の容認などの進展した内容はなく、限韓令が解除されるかどうかも不透明だ。両国はまず囲碁とサッカーでの交流を拡大することで合意しただけで、韓国のドラマや映画の中国内での流通問題は今後の実務協議へと持ち越した。

 中国が設置した西海の構造物についても、両首脳は「西海を平和な海にするという認識」を共にしたが、具体的な解決策は出ていない。年内に次官級の海洋境界画定協議を行うことに努めることで合意したのは、若干の進展だ。

 目立った成果をあげたのは民生・経済分野だ。知的財産権の保護、人工知能やビッグデータなどの新技術をめぐる協力に関する14件の了解覚書(MOU)に署名するとともに、韓中商務相会議を定例化することで合意したのが代表的な例だ。

 イ・ヒオク院長は「韓中関係が未来へと向かう礎石とモメンタムを作ったが、具体的な成果はこれから進展させていかなければならない」として、「限韓令は漸進的に解決するほかない状況であり、西海は状況が悪化しないよう管理しなければならない」と語った。キム・ソンベ院長は「米中対立と不安定な国際情勢の中で、大統領が『戦略的自律性』を強調したことは意義深い」と述べた。

2026/01/06 21:03
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/55121.html

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