中日葛藤の第2ラウンドの幕が上がった。中国が「先端産業のコメ」と呼ばれるレアアース(希土類)を前面に出して日本への圧力を強めながらだ。一部では、レアアース等を含むとされる中国の「デュアルユース(軍民両用)」物資の輸出禁止措置により、日本が年間2兆6000億円に達する経済的打撃を受けるとの予測まで出ていて、高市早苗首相の選択肢も狭まることとなった。
6日夜、中国商務部による奇襲的な輸出禁止発表に対し、日本政府は深い遺憾の意とともに慎重な姿勢を見せた。日本政府の報道官にあたる木原稔官房長官は7日午前の会見で、「今般の措置は国際的な慣行と大きく異なり、決して許容できず、極めて遺憾」と述べた。外務省や経済産業省などが中国側に強く抗議し、撤回を要求した事実も明かした。その一方で、「措置の対象など不明瞭な点も多く、産業への影響についてのコメントは差し控える」とし、「内容を精査、分析の上、必要な対応を検討していきたい」と説明した。軍事目的に転用可能な物資に限り日本への輸出を禁ずるとしている抽象的な中国政府の発表を、具体的に分析してこそ対応策を講じることができるという意味だ。
日本が慎重な姿勢を見せる背景には「学習効果」がある。中国によるレアアース報復が2度目だからだ。尖閣諸島(中国名:釣魚島)を巡る中日葛藤が極限に達した2010年9月、中国は日本に対してレアアースの輸出を事実上制限したことがある。当時、日本では電気自動車(EV)や半導体などの核心素材として使用されるレアアースの約90%を中国から輸入していたため、輸出中断は日本にとって打撃が大きかった。日本政府は中国をWTO(世界貿易機関)に提訴する一方、サプライチェーンの多角化を推進してきた。
野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミストである木内登英氏は、「日本のレアアース中国依存度は尖閣問題時の90%から現在は60%程度に減少したとみられる」としながらも、「それでも依然として依存度は高い」と指摘した。EV用モーターに使用される磁石の補助材料であるジスプロシウム、テルビウムなどのレアアースは、ほぼ100%を中国に依存しているということだ。実際に昨年4月、中国が米国の関税措置に対抗してジスプロシウムの輸出制限を行ったことを受け、、フォードなど米国の自動車工場が稼働中断を余儀なくされた経緯がある。木内氏は「もしレアアース輸出規制が1年間続く事態になれば、損失額は約2兆6000億円、年間の名目・実質GDP(国内総生産)は0.43%減少することになる」と懸念を示した。
台湾有事の際の軍事介入を示唆する発言で中国との葛藤を招いた高市首相の「反撃カード」が少ないことも問題として浮上している。昨年11月の高市首相の発言以降、中国が継続して「発言撤回」を要求しているが、日本国内の政治状況を鑑みると、これを受け入れるのは難しいということだ。実際に中国は、自国民に対する日本への旅行・留学自粛勧告→事実上の日本産水産物の輸入中断→輸出規制と段階的にレベルを上げながら高市首相を圧迫している。
中国商務部はこの日も、デュアルユース物資の輸出禁止措置に続き、半導体工程に使われる日本産ジクロロシランに対するアンチダンピング調査を実施すると発表した。全方位的な圧力に、一部では日本が中国に対して半導体の核心素材であるフォトレジスト(感光材)の輸出を制限するのではないかとの観測も出ている。2019年に日本が韓国大法院(最高裁に相当)の下した強制徴用損害賠償判決に対する報復措置として行ったのと同様の措置を、中国に加える可能性があるということだ。
法政大学社会学部の白鳥浩教授は、「外交的に解決する“対話カード”以外には、直ちに高市政権が使える措置はないように見える」と診断した。白鳥氏は「これまで発言撤回をしていない以上、簡単に発言を覆す可能性は低いと思われる」とし、「むしろ中国の圧力を契機に防衛力強化に乗り出す可能性がある」と懸念した。また、「中長期的には日本が過去に行ったようにサプライチェーンの多角化に乗り出すだろうが、AI(人工知能)時代においてスマートフォンやPCなどレアアースが使われない場所がないだけに、打撃は不可避だろう」と展望した。
2026/01/08 08:17
https://japanese.joins.com/JArticle/343115