回廊の時代にようこそ【寄稿】

投稿者: | 2026年1月12日

 2025年12月中旬、ロシアがウクライナのオデーサにつながる回廊を開放すると発表した。オデーサはウクライナの穀物輸出の中心的な港だ。メディアが報じていないこの重大な発表において、「開放」は正確にはその反対を意味する。オデーサ回廊を開くことの実際の意味は、オデーサに出入りする船舶はすべてロシアが統制する回廊を通過する必要があり、ロシアはこれを遮断したり拿捕したりできるというものだ。この回廊は国際海域を通過するため、これは国際法に違反する純粋な権力の行使に当たる。

 このようなかたちの統制はロシアが初めてではない。ドナルド・トランプはすでにベネズエラに出入りするタンカーを封じている。イスラエルも同様にガザ地区の海域を封鎖しており、接近する救援船団を公海上で拿捕している。イスラエルが飢える人々に人道的支援を届けるとしてガザ地区に通じる回廊を開いたときでさえ、その手法は人道的状況を悪化させた。強大国が弱小国を攻撃する際に使う用語は、常に「人道的支援」だ。ロシアも同じだ。

 驚くべきことに、ヤニス・バルファキスをはじめとする一部の西側の左派知識人は、オデーサ回廊を西側の帝国主義的な物流支配に対するロシアの創意的な反撃として高く評価している。西側はこれまで、関税や排除、軍事介入を通じて市場を支配しながらも、これを「開放」と称してきたが、ロシアが「中立的な市場と運送インフラ」という虚構をあばき、第三世界諸国がロシア、中国、インドと直接取引できる新たな展望を開いたというのだ。

 左派として私はこの見解を拒否する。オデーサ回廊は市場を開くのではなく、第三世界諸国向けの最大の穀物輸出国であるウクライナの輸出を妨害する軍事介入だ。これはウクライナに損害を与え、第三世界の食糧輸入のコストを上昇させる。西側が支配するインフラに問題があるのは事実だが、ロシアの行為は状況をさらに悪化させる。反帝国主義のレトリックには警戒しなければならない。第2次世界大戦中、ドイツと日本も反帝国主義のレトリックを用いた。

 ロシアに対する誤った評価はさらに続く。欧州連合(EU)が、ベルギーのブリュッセルによって封じられているロシアの凍結資産を活用し、ウクライナを支援することを検討すると、ロシアは西側の資産差し押さえを宣言し、ロシア産石油を購入する国に、ルーブル建てか人民元建てで決済するよう要求した。前述の左派知識人たちは、これを帝国主義的金融インフラにロシアが強力な打撃を与えたと解釈するが、このような動きが国際金融システムを不安定化させるという事実を見落としている。

 最終的に欧州諸国がロシアの資産でウクライナを支援する案に合意することに失敗し、ウクライナに900億ユーロの融資を提供すると決めたことについても、左派は、欧州がウクライナへの援助と自国の利益保護の間で躊躇(ちゅうちょ)していると批判した。この指摘は完全な間違いではないが、ウクライナという一つの国が消滅する恐れのある状況のもとで、左派は中立を掲げているが、本当はロシア側に傾いていることを示している。私は欧州の決定が米国と独立して行動しようとする意思を持ち、ウクライナの崩壊を防ぐために努力した意味のある行為だと考えている。

 ロシア・イラン・ベネズエラの軸をはじめ、世界各地で形成されている新たな権力ブロックは、理念的土台のない新ファシズムの変種だ。欧州はここで例外となり、解放的啓蒙に忠実な空間として残らなければならない。悲しいが避けられない結論は、欧州が、欠点だらけとはいえ解放を目指し続ける欧州か、新ファシズム秩序のどちらか一つを選択しなければならないということだ。第2次世界大戦で西側帝国主義と共産主義が手を結び、ファシズムを倒したように、迫りくる第3次世界大戦では、はたして、旧帝国主義勢力に対抗し、左派と新ファシストが連帯する逆説的な同盟が成立するのだろうか。

2026/01/04 18:51
https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/55161.html

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