新冷戦を突破する「ミッシングリンク」…3カ国首脳会談で韓中日協力の再稼働へ

投稿者: | 2024年5月24日

26、27日にソウルで開催される韓日中首脳会談は、しばらく中断していた3カ国の協力を議長国・韓国の主導でまた正常軌道に乗せる機会となる見通しだ。特に米中間の戦略対決激化で「韓米日vs朝中ロ」という新冷戦格の対立が固着化する構図の中、3カ国協力は韓国の外交的空間を広げるのに必要な「ミッシングリンク(missing link、失われた環)」といえる。韓国政府が「3カ国の国民が恩恵を体感できる未来志向的で実質的な協力の動力確保」を標ぼうした中、3カ国首脳は経済・通商など6分野で協力を強化する内容の結果も採択する計画だ。

大統領室の金泰孝(キム・テヒョ)国家安保室第1次長は23日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領、岸田文雄首相、李強首相が出席する韓日中3カ国首脳会談の開催を伝えながら「今回の首脳会談は3カ国が協力体制を完全に復元し、正常化する分岐点になるだろう」と明らかにした。

 また「政府は首脳会談の準備過程で国民の生活との関連性などを勘案し、重点協力分野を提示した」と紹介した。これを受け、3カ国首脳は▼人的交流▼気候変動対応協力を含む持続可能な発展▼経済・通商▼保健および高齢化対応▼科学技術デジタル転換▼災難および安全–など6つの分野を集中的に議論した後、共同宣言に協力の意志を反映する予定だと、金次長は説明した。

◆韓米日vs朝中ロ、その間の韓中日

3カ国首脳会談は2019年12月(中国成都)以来4年5カ月ぶりに開催される。特にバイデン米政権が最近、中国を牽制するために同盟を積極的に活用する「格子状安保構造」の構築を加速化する時点であり、より一層注目される。

具体的に米国は韓米日および米日比安保協力、AUKUS(オーカス、米英豪の安保同盟)、クアッド(QUAD、米日印豪の安保協力体)など多国間協力体を重ね合わせながら中国に圧力を加えている。韓国にも事実上AUKUS参加を提案するなど韓国も格子構造の明確な一線に浮上中だ。

米国と中国のどちらか一方を選択することができない韓国の立場で韓中日協力の価値がさらに高まる理由だ。外交の中心を韓米同盟と韓米日安保協力に置くものの、重要なパートナーである中国とも戦略的に円滑な意思疎通ができる多国間プラットホームとして機能する可能性があるからだ。

梨花女子大の朴仁煇(パク・インフィ)国際学部教授は「韓米同盟と韓米日関係が順調に進む状況で最後に抜けている軸が中国だが、今回の首脳会談が主要強大国外交を完成させる契機となる可能性がある」とし「政治・安保・軍事分野は米日中心に進めても、韓中関係を通じて市場・経済分野で得られる利益は確実に得る知恵が必要だ」と述べた。

◆北朝鮮に序列3位を、韓国に序列2位を送る習主席

3カ国首脳会談を契機に韓中関係の気流が転換するかが注目される。尹大統領と李首相は26日、2国間会談をする予定だ。金泰孝次長は「両国間の戦略的意思疎通の増進、経済・通商協力の拡大、中国内の友好的投資環境の形成、人的文化交流の促進、韓半島(朝鮮半島)情勢を含む地域およびグローバル協力」などを議論すると明らかにしたが、主要議題として韓半島情勢よりも意思疎通と経済協力を先に紹介した。政府が中国から得られる経済的機会に注目している傍証とみられる。

米国と対立する中で隣国韓国との関係管理の必要性が高まったのは中国も同じだ。韓国の3カ国首脳会談発表後、中国外務省の汪文斌報道官は「今回の会談が3カ国協力に新しい動力を吹き込み、互恵・ウィンウィンをさらに実現することを期待する」と述べた。

最近の趙兌烈(チョ・テヨル)外交部長官の訪中(5月13、14日)でも、双方は難関を認めながら協力と未来に傍点を打った。北朝鮮が直後に「請託ともの乞い外交」(16日、朴明浩外務次官)と表現しながら極度の警戒心を表した理由だ。これと関連し、北朝鮮には中国権力序列3位の趙楽際・全国人民代表大会常務委員長が訪問し(4月11-13日)、韓国には序列2位の李首相が訪れる点も注目を引く。韓日中首脳会談にはこれまでも中国の首相が出席してきたが、習近平国家主席が北朝鮮を優先する意図を見せているため出席者の階級を低める可能性があるという懸念もあった。

韓国で開催する首脳会談に中国の首相が出席するだけに、尹大統領の訪中にも名分が生じるという声も出ている。習主席は2014年7月に国賓訪韓して以降、韓国の相次ぐ要請にもかかわらず韓国を訪問しなかった。その間、韓国大統領は中国を数回訪れた。このため韓国大統領が先にまた訪中するのは儀典上合わないという指摘もあった。

26日には尹大統領と岸田首相が会談する。最近の「LINEヤフー」事態などをめぐる議論があるとみられる。今年に入って韓日首脳会談は初めてだが、岸田首相の訪韓自体が韓日間「シャトル外交」が安定的に定着したという意味でもある。

◆隔たりよりも協力に傍点

ただ、安保事案では意見の違いが浮き彫りになるとみられる。大統領室の関係者は朝ロ間の違法武器取引なども議論されるのかという質問に対し「北の非核化問題などは短い時間で明確な合意結果を出すのが難しい」と話した。北朝鮮の核問題については原則的レベルの文案合意が出てくる可能性が高い。韓米日がよく言及する南シナ海や台湾海峡の問題も今回の首脳会談ではテーブルに載せられないとみられる。

3カ国がおよそ4年半ぶりの首脳会談に合意しただけに、未来志向的な協力を中心に置くという意志が強いとみられる。具体的に6つの協力分野を特定して議論するのもそのためだ。

韓国外大国際地域大学院の康埈栄(カン・ジュンヨン)教授は「すぐに実質的な成果を出すのは難しいが、我々にとって重要な北の核の脅威などについて中国と話せるプラットホームを復元したという点で会談の開催だけでも意味がある。韓日が大きく近づいたため中国が容易に呼応することはないだろうが、今後の首脳会談定例化を通して動力を継続させるべきだ」と述べた。

2024/05/24 13:05
https://japanese.joins.com/JArticle/319069

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