「日本やドイツより良好」…韓国輸出、「半導体への集中」の真実

投稿者: | 2024年5月27日

韓国の輸出の半導体への集中が、半導体のライバル国である台湾と比較して3分の1水準であることがわかった。他の主要競合国である日本やドイツと比較しても韓国の輸出品目ポートフォリオはバランスが取れているという分析が出ている。

中央日報が国際貿易センター(ITC)の国別貿易統計(HS6単位基準)と韓国貿易協会の輸出統計(MTI基準)などを分析した結果、韓国の昨年の輸出6332億ドルのうち半導体が986億ドルで15.6%を占めて半導体への偏りは明らかだった。

 だが比較対象を韓国の競合国に限定すれば程度は激しくはない。世界の半導体市場で韓国の最も強力な競合国である台湾は昨年半導体の輸出割合が43.2%に達した。韓国の3倍に迫る数値だ。韓国の輸出の特徴が半導体への偏りというならば台湾は「半導体オールイン」といえる。

韓国の特定品目への偏りも比較的少ない方だった。日本を見ると、昨年は自動車の輸出割合が17.2%で自動車への偏りが目立った。韓国の半導体への偏りより1.6ポイント高かった。別の競合国であるドイツは一般機械が16.8%、イタリアも一般機械が18.3%と偏りが激しかった。

ただしフランスは韓国より特定品目に対する依存度が低かった。昨年フランスの輸出1位品目である一般機械の割合は12.3%にとどまった。韓国の半導体の割合より3.3ポイント低い。

昨年の韓国の輸出実績を見ると、半導体に次いで自動車が11.2%、一般機械が8.5%、石油製品が8.2%、石油化学が7.3%、鉄鋼が5.6%、自動車部品が3.6%、船舶が3.4%、ディスプレーが2.9%、無線通信が2.4%の順でポートフォリオを備えている。産業通商資源部のチョ・イクノ貿易政策官は「韓国の輸出は競合国と比較して品目ポートフォリオが多彩なのは事実」と評価した。

二次電池の生産が韓国国内で行われてそのまま輸出実績に含まれていたとすれば韓国の半導体への偏りはいまより緩和されていただろうというのが韓国政府の見方だ。昨年の二次電池輸出実績は98億3000万ドルで割合は1.6%だったが、海外生産の割合が90%を超えており、この生産分は輸出実績から除外されている。

それでも絶対的な半導体への偏りを緩和する努力は継続すべきという助言が出ている。半導体は世界の景気変動に敏感な品目だ。半導体の韓国経済への寄与度が大きいだけに、半導体市場が沈滞すれば韓国経済に及ぼす副作用が大きくなるためだ。反対に好況の場合には半導体錯視に隠れ他の産業の競争力の実状が正しく見えないこともある。

韓国貿易協会のチャン・サンシク動向分析室長は「半導体は景気の流れに敏感なので輸出の割合が過度に高まらないよう別の品目の輸出を促さなければならない。一般機械や自動車など他の品目に偏るより半導体に偏るのがより危険だ」と話した。

単純に半導体以外の品目の輸出額を増やすことだけでなく、付加価値を高めて貿易収支まで改善しなければならないとチャン室長は強調した。韓国の半導体を除いた貿易収支は2018年から今年(1-3月期)まで毎年赤字となっている。貿易収支全体では今年プラスに転じたのと相反する。

半導体への偏りだけでなく、輸出対象国が米国と中国などに偏重している点も改善すべきという指摘が提起される。昨年の輸出の対米・対中の割合は42%に達する。現代経済研究院は26日、「輸出景気回復力の強化-下半期の輸出リスク要因と見通し」という報告書を出し、「米国のポピュリズム(大衆迎合主義)拡散がもたらす規制変化と米中対立激化にともなう経済ブロック化の可能性に備えなければならない」と強調した。

2024/05/27 10:34
https://japanese.joins.com/JArticle/319135

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