日本が中国を念頭に太平洋地域の島を対象に戦闘機を配置し、防空識別圏(ADIZ)を拡大する案を検討中だと、朝日新聞が4日、報じた。日本と中国は昨年10月、高市早苗首相の台湾有事における軍事介入示唆発言を機に関係が悪化しており、中国の戦闘機が日本の戦闘機に対してレーダー照射を行うなど軍事的緊張が高まっている。中国が太平洋での軍事活動を強化しているのに対抗し、日本が防空識別圏の拡大に乗り出せば、中国との緊張が一段と高まりかねないとの懸念が出ている。
防空識別圏は、海岸から約22キロ離れた領海上空の外側に設定するもので、国際法上の領空とは違いがある。領空侵犯の恐れがあると判断される航空機がこの区域に進入すれば、日本は航空自衛隊の戦闘機を緊急発進(スクランブル)させてきた。今回、日本が防空識別圏に設定しようと検討している地域は、本州南方の太平洋の島々である小笠原諸島だ。東京から南へ約1000キロ離れているここは、米軍が1950年代に防空識別圏を設定した際、含まれていなかった。
日本はその後、1969年に訓令を策定し防空識別圏を定めたが、小笠原上空は含まれなかった。朝日は、今回新たに防空識別圏の設定案を検討し始めた背景には中国の存在があると伝えた。これまで日本は北朝鮮のミサイル対応と東シナ海を中心に中国に対応するレーダー拠点を構築してきたが、太平洋側の監視は不足していたという。実際に昨年11月に就役した中国海軍の3隻目の空母は、日本の緊張を高めている。3隻体制となれば外洋でも常時作戦を展開できるためだ。防衛省の高官は同紙に対して「太平洋上に常時展開してもおかしくない」と評価した。
ただ、日本の監視区域拡大は近隣諸国の反発を招く見通しだ。過去、2010年に日本が沖縄県と与那国島一帯まで防空識別圏を拡大した際、台湾の反発を買った。中国もまた2013年、尖閣諸島(中国名・釣魚島)を含む防空識別圏を一方的に設定し、米国、日本と対立した経緯がある。朝日は、小笠原諸島上空は他国の防空識別圏と重ならず、監視区域の設定に「楽観的」な意見が強いとしながらも、中国軍用機に対する緊急発進の対応が増え、軍事的緊張が高まる可能性もあると指摘した。
中国を狙った監視体系の強化はこれだけではない。第2次世界大戦当時の激戦地として知られる硫黄島への戦闘機配置も検討し始めた。東京から約1200キロ離れているここは火山島で、現在は海上自衛隊約250人と航空自衛隊約100人が駐屯している。日本政府はここに戦闘機の配置などを含む航空基地機能の強化を推進することにした。
防衛省はこのため、大型船舶が停泊できる港湾整備と滑走路強化に関する調査に乗り出すことが分かった。日本政府は「太平洋防衛構想室」の新設(4月)とともに、年内の改定を目指して進めている安保3文書の改定にも太平洋防衛の強化を盛り込む予定だ。朝日は「硫黄島の機能強化をめぐっては、同島に戦闘機や艦艇を派遣しやすくなり、台湾有事を念頭に日米同盟の強化にもつながるとの期待感も政府内にはある」と伝えた。
2026/03/04 15:00
https://japanese.joins.com/JArticle/345644