米国の大学の卒業式に出席した著名人が、祝辞で人工知能(AI)に言及したところ、卒業生からヤジを浴びるケースが相次いでいる。AIブームが若者世代にとっては、「機会」よりも「雇用不安」として受け止められているとの分析が出ている。
20日、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)など主要海外メディアによると、15日(現地時間)、米アリゾナ大学の卒業式の壇上に立ったエリック・シュミット元グーグル最高経営責任者(CEO)が、「皆さんがどの道を選んでも、AIは仕事の進め方の一部になるだろう」と話すと、ヤジが飛んだ。AIに言及するたびにヤジが飛ぶと、シュミット氏は「多くの人が(AIについて)どう感じているか分かっている。その恐怖を理解している」と、一歩引いた。
セントラルフロリダ大学の卒業式で、不動産会社タビストックの幹部グロリア・コールフィールド氏が「AIの台頭は次世代の産業革命だ」と話した時も、ミドルテネシー州立大学の卒業式で、ビッグ・マシン・レコード代表のスコット・ボルチェッタ氏が「AIは今この瞬間にも生産方式を変えている」と言及した時も、同様に冷ややかな反応が続いた。
これは、AIによる雇用減少に直面している米国の若者たちの不安を象徴する場面だ。ゴールドマン・サックスは最近の報告書で、AIによって昨年、毎月約16000件の雇用が失われ、とくにZ世代(1997~2012年生まれ)と新入社員が最も大きな打撃を受けていると分析した。ギャラップの4月の報告書によると、米国のZ世代の48%が「職場におけるAIのリスクは利点より大きい」と答えた。一方、「利点の方が大きい」と答えた割合は15%にとどまった。米最大手通信会社ベライゾンのダン・シュルマンCEOはWSJに対し、「AIの影響によって、今後2~5年以内に失業率が20~30%に達する可能性がある」と話した。
不安は現実として証明されつつある。メタは20日から、全従業員の10%に当たる8000人に対する解雇通知を開始した。さらに約6000件の新規採用も取り消す予定で、実際の人員削減規模は計14000人前後に達する見通しだ。メタは今年1-3月期の売上高が563億ドル(約8兆9450億円)で過去最高を更新したが、過去最大級のAIインフラ投資を前に、大規模な人員削減に乗り出した。
グローバルテック業界の雇用追跡サイト「Layoffs」によると、この日時点で147社のテック企業による今年の累計人員削減は11万人を超えた。アマゾンとオラクルは最近、それぞれ3万人規模の人員削減を進めている。ヘッドハンティング会社キングスリーゲートの最高戦略責任者(CSO)であるウメシュ・ラマクリシュナン氏は、「今や世界は、仕事が機械に代替されていることを知っている。もし企業がそうしなければ、株主が不満を抱くだろう」と指摘した。
AIによる代替への不安は、若者たちの進路指導まで変えつつある。WSJによると、米国の若者たちはホワイトカラーではなく、ブルーカラー(現場職)を目指して職業学校に進む傾向を見せている。職業教育中心の2年制大学であるコミュニティーカレッジの在籍者数は、2020年以降約20%増加した。
アジア圏も例外ではない。日本経済新聞によると、東京の人材開発会社レバレジーズが現場職従事者(724人)の前職を調査した結果、事務職出身者が20%に達した。20代の転職理由としては、「AIに代替されにくいという安心感」と「仕事が多そうだから」が上位に挙がった。学歴プレミアムまで揺らいでいる。日本の化学・空調設備企業ミツヤ産業は先月から、専門学校卒の初任給を大卒より5000円高く設定した。
2026/05/21 14:12
https://japanese.joins.com/JArticle/349419