「プランB」なき日本とどのように協力していくのか【コラム】

投稿者: | 2026年5月26日

 先月10日に英国「フィナンシャル・タイムズ」に掲載された「トランプ大統領に『No』と言えない日本』という記事を何度も読み返した。この記事は、「中国の台頭」と「北朝鮮の核武装」という2つの大きな安全保障上の脅威に直面している日本が、トランプ大統領の2期目就任後に直面している「戦略的苦境」について述べたものだ。「予測不能な」トランプ大統領の登場により、米国は少なくとも今後3年間は「信頼できない」国のままだが、日本に「プランB」は存在しない。代替案なき日本は、「トランプ大統領の機嫌を取ろうとすればするほど、(そのことをよりよく知る米国から)ますます惨めな扱いを受けざるを得ない」ことになる。このもどかしい現実こそ、「『No』と言えない日本」を襲っている「国難」の正体だと言える。

 この「不幸な構図」は韓国にもそのまま当てはまるが、韓国と日本の間には決定的な違いがある。長い歴史を通じて形成されてきた両国の「中国観」だ。

 昔から「中華秩序」と呼ばれる国際秩序を受け入れて生きてきた韓国人は、中国のことを真っ向勝負するのは難しい「大国」だと考えている。対して日本は中華秩序の外で生きてきたし、明治維新(1868)で富国強兵を成し遂げ、清を打ち破り、独自の地域覇権秩序を築いた(1895)という強烈な歴史的経験がある。そのため、日本にとって中国中心の地域秩序を受け入れるということは、自らの長年の「アイデンティティー」と日清戦争以降の国家的「成功」の否定を同時に意味する。国の骨格が折れない限り、到底受け入れられないだろう。

 興味深いのは、日本は厚かましい侵略戦争を繰り広げた結果、無惨に敗北したにもかかわらず、東アジアの戦後国際秩序が彼らに有利な方向へと再編されたことだ。現在この秩序を維持しているのは米国、つまり「米日同盟の力」だ。したがって、韓国人が「米中どちらにつくのか」との問いを「道具的」に受け取るとすれば、日本人は生死にかかわる「存在論的」追及だと感じる。まさにこの点で、韓日の「中国観」は根本的に異なる。

 振り返ってみると、「中国の台頭」がはじまった2010年以降、日本の外交は「米国を助けて(!)」現在の秩序を何とか維持しようという凄絶な死闘いだったと言える。国内の反発世論を抑えつけながら「集団的自衛権」の限定的な行使に向けた立法作業を完了(2014~2015)し、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」という「中国けん制」のためのグローバル戦略を打ち出し(2016)、防衛費を国内総生産(GDP)の2%にまで引き上げることを誓った(2022)のに続き、韓米日3角軍事協力への第一歩を踏み出すことに成功した(2023)。それを足がかりとして本格的に中国に圧力をかけようとした瞬間、第2期トランプ政権が登場したわけだ。

 日本の高市首相は、3月の首脳会談でトランプ大統領の懐に飛び込むという行為と、「世界に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」という露骨なへつらいを交えつつ、米中の「戦略的接近」の阻止に最善を尽くしたが、実現できなかった。トランプ大統領と中国の習近平国家主席は今月14日に北京で会談し、両大国が今後「建設的戦略的安定関係」を築いていくことで合意した。習主席は会談で「高市の日本」に対する激しい怒りをあらわにしたという。

 14日の北京首脳会談を機として米中関係が本格的な「G2の時代」に足を踏み入れるかはまだ分からないが、日本外交が「袋小路」に迷い込んでしまったことは明らかなように思える。高市首相が今のような答えのない対中強硬策を維持すれば、「改憲などの保守アジェンダを推進するために、中国との関係を意図的に悪いままにしている」(田中均元外務審議官の6日の指摘)という非難が説得力を得ていく。

 韓日が力を合わせ、米中双方からある程度の自律性を確保する「プランB」を考えることはできないだろうか。改憲を通じた米日同盟の強化という「プランA」にすべてを賭けようとしている日本は同意しないだろう。日本との関係改善は良いことだが、具体的にどのような協力を進めていくのかについては、今後かなりの「意見の相違」があらわになっていくだろう。それによって、韓国の進歩と日本の主流の「戦略観」はやはりかなり異なるのだということを再確認することになるかもしれない。政府にもこのようなリスクを念頭に置いてもらいたい。

2026/05/26 15:34
https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/56287.html

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