【中央時評】「韓国と朝鮮」:正しい二つの国家関係に向かって

投稿者: | 2026年6月12日

2026年3月の最高人民会議で改定された朝鮮民主主義人民共和国の憲法が公開され、大韓民国と北朝鮮の性質および関係をめぐる論争がまた激しくなっている。しかしその論争の主な根拠は、過度なイデオロギー主義、そして歴史と現実に対する誤解のためだ。北朝鮮の憲法第2条によると、「朝鮮民主主義人民共和国の領域は北は中華人民共和国およびロシア連邦、南は大韓民国と接している領土と、それに基づいて設定された領海および領空」をいう。領域・領土・領海・領空の条項が初めて含まれたのだ。

1948年の制定当時から以前の憲法までは領域や領土の条項がなかった。制憲当時、北朝鮮はソウルを首都と規定し、大韓民国の存在と国家性を全面的に否認した(第103条)。その内容と順序を見ると、当時の韓国憲法の領土条項(第4条)に正面から対応するものだった。

 1972年の7・4南北共同声明の後、北朝鮮は首都を平壌(ピョンヤン)に移した。同時に、初めて統一条項を挿入した。首都の移転にともなう変化だった。分断の憲法上の公式化と、韓国の存在の「事実上の」受け入れ、そして「憲法上の」統一追求の表明だった。

韓国も7・4共同声明後の1972年、憲法に初めて統一条項を盛り込んだ。もちろん統一条項は文面そのものとしては憲法矛盾、憲法適用上優先の原則を生じさせる。なぜなら韓国は憲法上、韓半島(朝鮮半島)全体が領土であるためだった。しかしその一方で統一条項は憲法規範(領土条項)と実際の現実(北朝鮮の存在)との間の不可避な妥協でもあった。

北朝鮮はその後、首都条項と統一条項を維持した。そして今回、統一関連の条項を全面削除すると同時に、領土条項を挿入したのだ。「首都ソウル」(1948年)から「首都平壌+統一追求」(1972年)を経て「首都平壌+領土挿入+統一条項の完全削除」(2026年)へと変転した。

しかし今回の北朝鮮の憲法は「二つの国家論」とは完全に異なる。関係もない。特にこれをわが国の政府機関や社会において二つの「国家」論として理解することは重大な誤りだ。韓国はもちろんドイツ・中国・アイルランドの複数の事例を挙げてもまったく二つの国家論ではない。何よりも北朝鮮は憲法上、韓国を中国やロシアと同じ「外国」と見なしている。韓国と北朝鮮は互いに国境が接している「外国」にすぎない。「首都ソウルと武力統一」「首都平壌と祖国統一」の政策を結びつけていた過去とは正反対だ。

北朝鮮のこのような「二つの外国論」は決して「二つの国家論」として受け止めてはならない。韓国が7・4共同声明と憲法上の統一条項の挿入以降、韓国と北朝鮮の平和共存のために追求してきた「国連同時加盟」に対しても、彼らは「永久分断」として激しく非難・反対した。その北朝鮮が今や韓国を完全に外国とみなしている。もちろん彼らは韓民族さえも2つの民族へと完全に分離したことがある。

韓半島における正しい二つの国家論は、韓国と北朝鮮が平和共存のために相互の国家性と主権性を認めた上で、互いに敵対・干渉・衝突しないという原則と政策をいう。同時に統一議題も平和優先の原則のもとで未来への猶予であり、永久廃棄ではない。すなわち、二つの国家論とは未来の統一を想定した国家対国家の共存という特殊関係を意味する。相互の国家性を否認する双方の単独代表論・唯一政府論はもちろん、国家と平和の代わりに民族と統一に基づいた民族統一論・祖国統一論を乗り越えると同時に、二つの外国論も拒否する現実主義だ。

1965年の韓日協定当時、韓国と北朝鮮の地位や関係において当為と現実、そして韓国憲法と国際法が真っ向から衝突するのを経験した韓国政府は、7・4共同声明(1972年)と国連同時加盟(1973年表明)を進めながらこの二つの結合を試みてきた。そして成功した。それは韓国と北朝鮮の相互承認、平和共存と統一の追求でありながらも、北朝鮮に対する国際法上の国家性(外国)の否認を意味する。

その絶妙な結合は「二つの国家」という用語の使用および公式な言明の有無にかかわらず、その後、韓国の対北朝鮮に対する根本原則と姿勢として機能してきた。南北基本合意書を含む韓国と北朝鮮の各種合意もそうだった。1991年の韓国の国連同時加盟の推進が国際法上の二つの国家の追求や、二つの外国への接近として批判されなかった理由だ。

朴正煕(パク・ジョンヒ)-盧泰愚(ノ・テウ)時代を受け継いだ金泳三(キム・ヨンサム)、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)の時代も同じだった。もちろん彼らの一部は最高指導者になる前の時期に韓国と北朝鮮に対して「国家」や「共和国」という用語を繰り返し使用したことがある。

韓国戦争(朝鮮戦争)および冷戦解体の直後、国際機関や強大国の文書や政策を見ると、韓半島の統一問題において韓国の国内的・国際的な権利や優先権を否認するものが少なくなかった。大きな衝突を覚悟してでも韓国はこれを決して受け入れるわけにはいかなかった。(公式的にに二つの国家論を追求したドイツも同じだった)。

韓国と北朝鮮は相互の国家性と主権性を認め、尊重し合わなければいけない。また、ともに国連加盟国であることも事実だ。しかし双方が決して互いに「外国」であることはない。未来の統一まで今日の時点でふさいではいけない。

パク・ミョンリム/延世大教授・政治学

2026/06/12 15:27
https://japanese.joins.com/JArticle/350467

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