日本の笹生優花が3日(日本時間)、米ペンシルベニア州のランカスターCCで終わった米国女子プロゴルフ(LPGA)ツアーメジャー大会の全米女子オープンで通算4アンダー、276をマークして優勝した。父が日本人、母がフィリピン出身の笹生は2021年にフィリピン国籍で、今回は日本国籍で優勝した。
トップ10に入った韓国選手は一人もいなかった。日本選手はチャンピオンの笹生と2位の渋野日向子(通算1アンダー)をはじめ5人が10位圏内に入った。タイ選手が3人、米国選手が2人、オーストラリア選手1人がトップ10入りした。
全米女子オープンは米国のナショナルタイトル大会だが、韓国プロゴルファーにも象徴的な大会だ。1998年の経済危機当時、パク・セリが「裸足の闘魂」を見せて優勝し、強烈な印象を残した。そのためか韓国選手は伝統的にこの大会に強かった。
パク・セリ以降、昨年までの26回の大会でキム・ジュヨン(2005年)、朴仁妃(パク・インビ、2008年、13年)、池恩憙(チ・ウンヒ、2009年)、柳簫然(ユ・ソヨン、2011年)、崔羅蓮(チェ・ナヨン、2012年)、田仁智(チョン・インジ、2015年)、パク・ソンヒョン(2017年)、イ・ジョンウン(2019年)、キム・アリム(2020年)ら韓国選手が10回優勝した。全米女子オープンのトップ10に韓国選手が一人も入らなかったのは1997年以来27年ぶりだ。
1998年から2023年までの26大会で全米女子オープンのトップ10に入った韓国選手は平均3.3人だ。全盛期だった2006年から2017年までの12大会では半分近い4.8人がトップ10に入った。2017年には8人がトップ10に入賞した。当時、韓国を訪問したトランプ米大統領は国会演説でこの話をした。ところが7年後の全米女子オープンでトップ10に入った韓国選手は0人になった。2022年と23年は3人、21年は2人だった。
日本ツアーは1980年代、円高の影響もあり世界最高賞金を誇る女性ゴルフツアーに成長した。選手らは安楽な日本ツアーに安住し、日本女子ゴルフ協会は選手の海外進出を奨励しなかった。孤立した状態で失われた30年を経験しながら衰退の道を歩んだ。ところが今大会ではトップ10に5人も名を連ねて復活を知らせた。
日本はサッカー・野球がそうだったように女子ゴルフも先進国型に発展している。井の中の蛙を越えて世界最高になろうとする選手らが着実に登場している。LPGAに進出したプロゴルファーの畑岡奈紗が代表的な例だ。畑岡の名前の「奈紗」は米航空宇宙局(NASA)が由来であり、他人が行かない道を進むという意味が込められているという。
日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は最近、選手の海外進出を奨励している。JLPGA所属選手がLPGAメジャー大会に出れば対象ポイントを日本の一般大会(第3ラウンド大会)の4倍も与える。このため選手の海外進出が大きく増えた。タイ女子ゴルフの成長も目を引く。アリヤ・ジュタヌガーンが世界ランキング1位になり、選手の間では「やればできる」という自信が形成された。賞金金額(全米女子オープン優勝賞金240万ドル)も選手を引き寄せる。
ジュタヌガーン姉妹、パティ・タバタナキット、アタヤ・ティティクルらがLPGAツアーの主力選手として定着したが、そのほかにも多数の「タイのパク・セリ」が挑戦している。今大会には地域予選を通過して参加したタイの無名選手2人が優勝争いをした。粘り強いゴルフをする31歳ウィチャニ・ミチャイとタイツアーで成長した22歳のアルピチャヤ・ユボルだ。
韓国女子ゴルフは衰退期の典型的な特徴を見せている。海外進出より韓国女子プロゴルフ(KLPGA)ツアーに安住しようとする選手が目立つ。KLPGAは役員のポスト争いで騒々しい。ツアーが社会の雰囲気の影響を受けるようだ。実力よりも容貌が優れた選手が先を競って広告モデルとしてデビューする。スター選手のファンクラブは大会ごとに激しい勢力争いもする。政界に似ているという評価もある。祥明大スポーツICT融合学科のユ・サンゴン教授は「裸足の闘魂時代が幕を下ろし、韓国女子ゴルフは日本とタイの間に挟まれたサンドイッチ状況だ。韓国社会が変化の圧力に直面しているのと妙に似ている。新しい動力と構造・文化を模索する時だ」と話した。
2024/06/04 13:21
https://japanese.joins.com/JArticle/319505